2026.06.01NEW

2026年U17アジア選手権(ベトナム)出場の男子グレコローマン・チームが帰国

 ベトナム・ダナンで行われた2026年U17アジア選手権に出場した男子グレコローマン・チームが5月31日、成田空港着のベトナム航空で帰国した。110kg級の吉田信太(長崎・島原工高)が銅メダルを獲得し、2014年から続いているメダル獲得の伝統を守った。全体では3勝13敗。この世代のグレコローマンは、厳しい現実に直面した。

▲メダル獲得の伝統を守った吉田信太(長崎・島原工高)と下里勝監督(左=愛知・名古屋工高教)と黒田安秀コーチ(長崎・島原工高教)

 下里勝監督(愛知・名古屋工高教)は、厳しい結果に終わり、「結果を出させてあげることができなくて、監督として責任を感じています。選手達には申し訳ない気持ちです」と反省の弁。一方で、チームとしての一体感をつくることで1+1が2、3、4になるような団結力を目指した。遠征のスタートのとき、「名古屋工高の監督ではない。代表チームの監督だ」と伝え、各選手の監督になりきっての指導を心がけた。

 最初は会話もなかった選手たちが、最後は団結が強くなり、「選手たちに助けられました。このチームの監督になれて、よかった」と振り返った。

 「未来の自分が過去を振り返ったとき、この大会の悔しさがあったから、今があるんだ…、そういう未来に必ずなるよ、と選手に伝えた」と言う。それに対して、「必ず強くなります!」と答えた選手がいたそうで、この結果を将来につなげることを願った。

 試合では、「もう一回やったら勝てるのでは」と思われる試合も多く、結果ほどの差はなかったと言う。「減量と闘い、相手と闘い、誰一人として自分には負けてなかったと思います」と評価した。

 全国高体連レスリング専門部の田中秀人理事長(滋賀・栗東高教)と前副理事長の沖山功・日本協会審判委員長が自費で視察と応援で現地まで来てくれたことに、この世代の選手育成への熱い思いを感じ、「感謝したい」と話した。

▲成田空港での解団式

選手だけでなく、セコンドも経験が必要

 初めて日本代表チームに帯同し、教え子に銅メダルを取らせた黒田安秀コーチ(長崎・島原工高教)「グラウンドの攻防にやや差はあったが、大きな差はないと感じた。慣れることで、勝利へつなげられる試合があった」と言う。

 セコンドのあり方に戸惑いがあったそうだ。日本では「パッシブ!」など判定への抗議的なかけ声はイエローカードの対象となるので控えているが、国際大会では声がけっこう効果的。パッシブのみならず、「ツー・ポイント」と声をかけると、レフェリーがつられるように2ポイントを挙げたりするそうで、「言ったもん勝ち」を実感(審判のレベルが低いのかもしれないが…)。

 ケースバイケースだろうが、国際大会でのセコンドとしてのあり方が、大きな力になることを感じたそうだ。2日目には「いいセコンドワークができた。選手だけでなく、私たちも経験ですね」と振り返った。

 今回のメンバーのうち3選手が7月下旬のU17世界選手権(アゼルバイジャン)にも出場予定で、選手は「今回の経験を生かしてほしい」と望んだ。


 ■110kg級3位・吉田信太(長崎・島原工高)「1回戦は思うような試合ができなかったけれど、3位決定戦は日本でやっているような試合運びができました。国際大会は初めてなので、最初は緊張が原因だったと思います。外国選手のグラウンド技、ローリングは強烈でした。3位決定戦はグラウンドの防御にならないようにスタンドでの闘いを頑張りました。このメダルを機に、高校ではまだ達成していない全国一を目指して頑張りたい」