2026.05.26NEW

【2026年明治杯全日本選抜選手権・特集】2024年世界王者の小野正之助(ペンシルベニア州立大)が観戦

 2024年世界選手権の男子フリースタイル61kg級優勝で、現在は米国在住の小野正之助(ペンシルベニア州立大)がビザの切り替えで一時帰国。2026年明治杯全日本選抜選手権の大会初日(21日)を観戦。22日には米国へ戻らねばならなかったので1日だけだったが、旧友との再会を堪能した。

 本来なら試合に出て日本代表を争うべき選手。昨年、エントリーした天皇杯全日本選手権を体調不良で棄権し、その他の国内大会には出ていなかったので、出場資格がなく、観客席での“参加”となった。

▲規定で大会には出場できなかった前世界王者の小野正之助(ペンシルベニア州立大)。7月には日本でのファイトが見られそう

 複数の外国記者のSNSでも「オノはなぜ出ないんだ?」と疑問を呈された不出場。小野は「出場資格がないので(不出場は)仕方ない。次の天皇杯や(来年の)明治杯には出られるようにしていこうと思う。それに向けての、いい準備期間だと思ってます」と、気持ちは切り替わっている様子。

 昨年秋~今年春の米国大学のレスリング・シーズンは、規則で出場できず(注=詳細は不明)実戦から遠ざかっているが、「体調はいい。ただ、試合には出られていないので、試合に出たい、という気持ちを抑えきれない自分がいる。早く試合に出て(エネルギーを)爆発させたい」と言う。

 全日本選手権の出場資格に直結する7月の全日本社会人選手権(名古屋市)が復帰戦となる見込み(注=学生ではあるが、山梨学院大を含めると4年在籍後なので、出場資格はあると思われる)。階級はとりあえず61kg級を予定。全日本選手権へのエントリーは階級変更ができるので、61kg級のままにするのか、57kg級か65kg級のオリンピック階級にするかは、出場資格を得たあと、じっくり決めると言う。

▲UWW記者からの英語の質問にも対応した小野正之助

UWW記者の質問に流ちょうな英語で受け答え

 米国大学はカレッジスタイルで行われている。フリースタイルとは違うルールで、ルールへの適応は難しく、今は学ぶことだらけという。ペンシルベニア州立大を米国最強に育てたカエル・サンダーソン監督やその兄のほか、多くの先輩から指導を受け、「それが身についたら、もっと成長できるのかな、と思います。ただ、それだけにこだわると(フリースタイルでの)自分のスタイルが消えてしまうので、そうならないようにしたい」と言う。

 「あまりやるタイプではなかった」という勉強もしっかりとこなす。この大会には世界レスリング連盟(UWW)からも記者が来て小野のインタビューに加わったが、後半は流ちょうな英語で受け答えをするなど、1年以上にわたる米国生活を感じさせる語学力を見せた。「朝練習~授業~練習」のあと、英会話の勉強をしているそうだ。GPA(米国の学業評価)は4点満点で3.7とのことで。米国の大学選手に求められる文武両道をしっかりこなしている。

▲GPA3.7の証書。「3.7」はずば抜けた成績だ!

 オリンピックについては、57kg級の上が65kg級なので、61kg級が適性の自分にとって「難しいところがある。65kg級は、きついかな…」と言う。しかし、2028年のロサンゼルス・オリンピックは「アメリカに住んでいて、アメリカでやる大会なら、目指さないわけにはいかない」とも話し、目標のひとつ。「自分の体と相談しながらやる」と言う。

 根本にあるのは「オリンピックを目指す」ではなく、「レスリングが好き」という気持ち。オリンピックにこだわらず、レスリング生活を堪能したいという気持ちを表した。