2024年パリ・オリンピックのチャンピオンや一昨年、昨年の世界チャンピオンが参加した女子トップ選手の強化合宿が2月26日~3月2日、福井・敦賀市総合体育館で行われ、練習を無料公開。レスリングの認知度を高める努力とともに、28日には地元ほかのキッズ選手と、これからレスリングを始めてほしいという子どもたちを対象としたレスリング教室とトークショーを実施。地元のレスリング熱の向上に努めた。
福井県レスリング協会が、地元の活性化を目指す福井県と敦賀市の支援のもとで合宿を招致。育英大の柳川美麿部長が強豪女子選手のいるチームに呼びかけ、育英大、日体大、自衛隊、サントリーから約30選手が参加。敦賀気比高校で夫(金城希龍)が監督を務めるオリンピックV2の金城梨紗子さんも加わり、2024年世界選手権代表を争った尾西桜(日体大)と現役復帰も考えられるような激しいスパーリングを展開し、女子レスリングの迫力を地元人たちに披露した。
28日のキッズクラブとの交流は、石川県からを含めて5チームが参加。オリンピアンや世界選手権代表選手とふれあった。
福井県協会の時岡隆夫理事長は「県と市の『福井県に全日本級の選手を呼んでほしい』という希望とご支援を、柳川先生の努力で実現できました。オリンピック・チャンピオンや世界トップ選手を間近に見て接することで、認知度の向上と普及に役立つと思います」と話す。
全日本合宿と言ってもいいハイレベルの練習に「選手が『福井でいい練習ができた』と思っていただければ幸いです。地元に対しての効果もあったと思います」と、選手と地元が「Win-Win(ウィンウィン)」(双方の利益)の関係になることを希望。キッズ選手との交流での選手のサービス精神に感謝した。
金城さんは「現役のときに試合や練習をしていた相手と、こうして同じ場にいられる機会ができたことが、とてもうれしいです。もっと時間がほしい、と思うくらい練習しました」と、熱く燃えた日を思い出したと言う。「でも、きついスポーツですね。よくやっていた、と思いますし、現役選手を尊敬します」と苦笑い。きつい練習に耐えているからこそ、「だれもが頑張ってほしい。という気持ちになります」と言う。
地元の振興については、今回限りの一過性ではなく、継続の重要性を訴える。「年に一回とか定期的に実施することで、レスリングはテレビで見るものではなく、自分でできるスポーツということを感じてもらえると思います。そうなれば、競技人口も増えると思います」と、継続による発展を期待。
選手がSNSで全日本選手権への来場を呼びかける時代だが、レスリングを発展させるには「地方で繁栄させることが大事だと思います。福井県に住むようになって縁ができましたので、福井県のレスリングの発展に尽力していきたいと思います」と話した。
福井県は、まだオリンピック選手は生まれていないが、若狭キッズ出身の山名慧が至学館大へ進んで世界選手権の代表となり、福井クラブ出身の前田頼夢が日大時代に世界大学選手権2位へ。2018年福井しあわせ元気国体のときは県スポーツ協会所属の入江ななみが優勝するなど活気をつくった。
最近は敦賀気比高から全国王者が誕生しており、昨年、同高1年の日浦璃毘兎(ひうら・りひと=福井・越前クラブ出身)がU17世界選手権で銀メダルを獲得。国民スポーツ大会でも優勝。上昇の兆しを見せている。
時岡理事長は、第1回から爆発的な観客が集まるとは思っていなかったが、もう少し多くの関心を集めたいという気持ちも吐露。街で合宿公開のチラシを配るなどの努力はしたが、口コミで人を連れてくる方が効果的と感じたようで、来年以降も実施して地道に認知度を高め、福井県のレスリング界への還元を目指す気持ちを話した。