2012.08.08

【ロンドン五輪第3日・特集】「全力で闘った顔をしていました」…斎川弘子さん

※本記事は日本レスリング協会公式サイトに掲載されていたものです。

【ロンドン(英国)、文・撮影=樋口郁夫】栃木県選手として28年ぶりに五輪出場を果たした男子グレコローマン96kg級の斎川哲克(両毛ヤクルト販売)。昨年の世界選手権2位の選手を相手に奮戦したが、善戦むなしく初戦で敗れた。

 観客席で見守った父・晃一さんは「みんな強いですね。経験不足でしたね」と、わが子の労をねぎらった。昨夏には1ヶ月後の世界選手権で3位に入った選手を破り、今年6月のピトラシンスキ国際大会(ポーランド)でも世界3位のロシア選手を破ったことで、期待するものはあったという。

 オリンピックの舞台での闘いは違った。晃一さんは「できれば、ロシアとトルコともう一度闘ってほしかったですね」と残念そうだが、「オリンピック出場という夢をかなえらえたことはよかった。次の夢を追って、これからも頑張ってほしい」と、この後の人生の踏ん張りに期待。

 母・弘子さんは「負けたあとの息子の顔は、100パーセントとまではいかなくとも、全力で闘ったという顔をしていました」と、晴れの舞台で力を出し切った息子の頑張りを評価。「お疲れさまでした、と言いたい。ここまで来たことを、褒めてやりたいです」と、五輪出場までの努力をたたえた。

 28年前(ロサンゼルス五輪)の栃木県出身の五輪選手とは、斎川を栃木・足利工高で鍛えた長島偉之監督。初戦敗退は予想外の結果だったようだが、「現実として受け止めないとならない。不安と、(グレコローマン重量級でのメダル獲得という)歴史的快挙が達成されるかもという期待とが半々だった。甘くはなかったですね」と話した。

 スウェーデン選手の低い軌道の俵返しは「フェイント狙いを切り返され、見事に合わされてしまったですね」と、相手のうまさに舌を巻いた。

 「お疲れさま、と言いたい」と、ここまでの苦労をねぎらい、「今後は指導者として、いい選手を育ててほしい」とリクエスト。グレコローマン重量級の貴重な全日本チーム指導者としての活躍が期待されるが、「できれば栃木県に戻って、栃木の高校レスリング界を活性化させてほしい。私も間もなく終わり(定年)だし…」と、地元での活躍を望んだ。