※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
初日、チーム最年少の高谷が出場枠を取って勢いをつけた
佐藤満強化委員長(専大教)は「選手が自分の持ち味を出してくれた。全階級で出場枠を取るつもりで来ていたが、厳しい闘いの階級もある中で、よくやってくれた結果だと思う」と選手の踏ん張りを評価。
大会初日のフリースタイルで湯元進一(55kg級)と高谷惣亮(74kg級)が出場枠を取り、その勢いが第2、3日のグレコローマンにも伝わったとも感じている。「チームの仲間がやった、ということが、グレコローマン選手の『やってきたことに間違いはない』という自信につながってくれたと思う」と振り返る。
取れなかった階級でも、「あと少し闘い方を変えれば勝てた、という階級もあった。もうひとつ、ポイントを取りにいく力をつけてほしい」と話す。初戦敗退だったグレコローマン74kg級の鶴巻宰にしても、3年前に北京五輪王者を破っている実力を持っており、「自信を持って力を出し切ってほしい」と要望した。
■強豪にも真っ向から向かっていった選手たち
北京五輪後に強化委員長に就任以来、常に言ってきたのが「世界で勝つための意識を持つこと」。旧ソ連の筋肉隆々の選手が相手でもおじけづくことのない姿勢に選手の意識の向上を感じた様子。「練習すれば勝てることを、選手はしっかり感じ取ってくれたと思う。それがこの4年間の最大の成果です。攻撃力をあとひとつ身につけてほしい」と、ワンランクアップの意識を求めた。
世界V5のスーリヤンを破った長谷川
世界V5の選手を破った長谷川には、「スタンドで確実にポイントを取れる力をつけてほしい。スーリヤンには勝ったけれど、ヨーロッパにはまだ注意すべき選手は多い。もう一度見直して、実力アップにつなげてほしい」と、五輪での金メダルを確固とするべく意識の向上を期待した。