※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
フランスへ向かった世界ジュニア選手権・女子チーム
リオデジャネイロ・オリンピックでの女子の活躍の余韻も冷めやらぬ中での大会に、吉村祥子監督(エステティックTBC)は「どの選手も刺激を受けている。オリンピック以上の成績を取り、2020年東京オリンピックへ向けていいスタートを切れるよう、力を合わせて頑張ってきたい」と出場の抱負を話した。
オリンピックでは、吉田沙保里選手や伊調馨選手の背中を見てきた世代の選手がいい成績を出した。「一貫強化が実を結んでいる。今度は登坂(絵莉)選手らの背中を見ているこの世代の選手が刺激され、いい成績を出す番だ」と言う。
全階級で優勝を目指すのは言うまでもないが、「そんなに甘くはない。最低でも大学選手は金メダルを取ってほしい。団体優勝を目指し、どの選手も1位でも上を目指してほしい。そのためには、負けることがあっても、落ち込むことなく敗者復活戦で勝つ精神力を持ってほしい。そうした精神力を持つことが、オリンピックで金メダルを取る精神力につながる」と、あきらめることなく闘うことを望んだ。
5月に3年連続でアジア・ジュニア選手権を制した好成績を受けて出場する源平彩南主将(至学館大)は「本来は出場資格がなかったけれど(注=ジュニアクイーンズカップ優勝選手が負傷で辞退)、出場することになり、責任をもってチームをまとめたい。全員優勝が目標です」ときっぱり。 吉村祥子監督(背中)のアドバイスを聞く選手
■"世界V6"を目指す古市雅子(日大)は72kg級へ初挑戦
一昨年と昨年の67kg級に続く3年連続優勝を目指す72kg級の古市雅子(日大)は、2011~13年の世界カデット選手権を合わせると6年連続で”世界一”への挑戦となる。今年2月には2014年の世界チャンピオンを破ったりもしているが、「72kg級での試合は別物。挑戦者なので、やるべきことをしっかりやって優勝を目指したい」と、チャレンジャーとして臨む腹積もり。
シニアでは75kg級に照準を定めることを決めており、「パワーも違うと思う」と気を引き締める。「最近は国外でも国内でも練習通りの動きができていない。練習での力を出せるようにやりたい」と、多くの課題を持っての参戦となる。
昨年に続く優勝を目指す48kg級の五十嵐未帆(至学館大)は「勝ちにこだわって連覇を目指したい。去年勝っているので、自信はあります」と、控えめな表情の中にも強気な言葉。
至学館大での練習相手がオリンピックで金メダルを取ったことや、昨年の大会で勝ったロシア選手がオリンピックに出場したことで、オリンピックがより身近に感じ、「自分が目指せる舞台」という気持ちを強くしたという。「ジュニア最後の世界大会を優勝で飾り、来年はシニアの世界選手権に挑戦したい」と話した。
《大会日程》
8月30日(火) 男子グレコローマン50・60・74・96kg級
31日(水) 男子グレコローマン55・66・84・120kg級
9月1日(木) 女子44・51・59・67kg級
2日(金) 女子48・55・63・72kg級
3日(土) 男子フリースタイル50・60・74・96kg級
4日(日) 男子フリースタイル55・66・84・120kg級
◎女子チーム
【女子監督】吉村祥子(エステティックTBC)、【同コーチ】山本英典(自衛隊)
【選手】
▼44kg級 中村未優(埼玉・埼玉栄高)
▼48kg級 五十嵐未帆(至学館大)
▼51kg級 與那嶺優里(日本文理大)
▼55kg級 向田真優(至学館大)
▼59kg級 熊野ゆづる(東京・安部学院高)
▼63kg級 源平彩南(至学館大)
▼67kg級 早川まい(愛知・至学館高)
▼72kg級 古市雅子(日大)