※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
フランスへ向かった世界ジュニア選手権の男子グレコローマン・チーム
笹本睦監督(日本協会アシスタントコーチ)は「去年は河名真寿斗(専大=60kg級)が3位に入っている。それ以上の成績を目指す」とメダル獲得宣言。ジュニアの試合は、シニアと違ってパーテール・ポジションの選択がなく、スタンド戦での闘いが中心となるが、全日本学生選手権もこのルールで実施されている。スタンド中心の攻防なら、「日本選手はスタミナもあるし、十分にやっていけると思っています」と言う。
25日から大阪で行われている全日本学生選手権に出場し、前夜に東京に戻って集合した選手もいるが、「減量もない選手だと聞いている。若いし、疲れもなく、みんな元気だ」と、ハードスケジュールをものともせずに闘いに挑む選手の姿勢が頼もしそう。
ジュニアとはいえ、全日本コーチとしての”デビュー戦”となる長谷川恒平コーチ(青山学院大職)は「リオデジャネイロ・オリンピックでは、初日に太田忍選手がメダルを取って勢いをつけた。今回も、まずグレコローマンでメダルを取り、次につなげたい。4年後の中心となる選手。しっかり結果を出せるようサポートしたい」と言う。
スタンド中心の闘いになることに関しては、「いかに前に出るかが勝負。前に出る力を世界の強豪相手に出せるかどうかを感じてほしい」と要望した。
選手としての遠征は「自分が勝つことだけを考えていた」という。今後は「チーム全体を見て、選手の生活面からすべてにおいて目を配らせないとならない。選手が力を出せるためなら、何でもやります」と、サポートに徹する姿勢を見せた。
■「オリンピックが終わり、次はボクたちが目立てるように頑張りたい」…難波陽主将
55kg級に出場する難波陽主将(青山学院大)は「ひとつでもいい順位を取れるようチームを引っ張りたい。オリンピックが終わり、次はボクたちが目立てるよう頑張りたい」と、次世代をになう代表チームの長らしいコメント。
リオデジャネイロ・オリンピックの男子グレコローマンで太田忍(ALSOK)が銀メダルを取り、「身近にいた人が成績を残したのは刺激になります。それを力に変えるというか、そのくらいの成績を残せると信じて闘ってきます」と言う。
自身は前年(初戦敗退)に続く参加。「今年は勝たなければならない。他より目立てるような成績を残したい」ときっぱり。
前日、大阪での全日本学生選手権で優勝した96kg級の奈良勇太(日体大)は、夜7時に伊丹空港から羽田空港に移動し、この日の朝8時半に集合する強行日程。しかし「きつい試合もなかったので、疲れはないです。優勝して参加できるので、気持ちはいい。インカレが久しぶりの試合だったので、試合感覚を取り戻すことができ、参加してよかった」と、インカレに出たメリットの方を強調した。
今回のオリンピックは、両スタイルとも重量級は予選を勝ち抜けず、厳しい現実を知った。しかし「次は違うことを見せたい。(シニアの)98kg級はボクの階級。自分の世界でポジションを確認し、世界で勝てるよう頑張りたい」と気合を入れた。
この後、女子チームが29日、男子フリースタイル・チームが30日に出発する。
《大会日程》
8月30日(火) 男子グレコローマン50・60・74・96kg級
31日(水) 男子グレコローマン55・66・84・120kg級
9月1日(木) 女子44・51・59・67kg級
2日(金) 女子48・55・63・72kg級
3日(土) 男子フリースタイル50・60・74・96kg級
4日(日) 男子フリースタイル55・66・84・120kg級
◎男子グレコローマン選手団
【監督】笹本睦(アシスタントコーチ)、【コーチ】長谷川恒平(青山学院大職)
【ドクター】渡部紫(スポーツ医科学委員)、【トレーナー】大山貴裕(東芝病院)
【選手】
▼50kg級 山口秀斗(神奈川大)
▼55kg級 難波 陽(青山学院大)
▼60kg級 鈴木絢大(静岡・飛龍高)
▼66kg級 中橋 涼(日体大)
▼74kg級 櫻庭功大(拓大)
▼84kg級 藤井達哉(青山学院大)
▼96kg級 奈良勇太(日体大)
▼120kg級 伊藤匠汰(青山学院大)