※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
国内最後の合宿をスタートしたグレコローマン・チーム。中央右が井上智裕、向こう側右端が太田忍
同委員長は「順調に来ている。国内の最後まで追い込むことで、みんな(コーチ、選手)の意見は一致している」とチームの団結を強調。最後の練習に励んだ。
3日の練習からは、大会に合わせて午前9時半からマット練習を行い、朝から闘うことに慣れる練習が始まる。リオデジャネイロ入りしてからも午前にマット練習を行い、“朝型”への変換をはかり、本番へ臨む。
ただ、「へばってしまって本番で力が出ない、ということだけは避けたい」と、最後はブレーキをしっかりかけていくという。
チームには栄和人強化本部長から「本来なら合宿に駆けつけ、代表選手を激励すべきところだが、(愛知で練習している)女子の強化があるため、東京へ行くことができない。レスリングの第1陣としてリオデジャネイロへ向かう代表選手の健闘を期待する」とのメッセージが届いた。 レスリング競技の初日に登場する太田忍
66kg級代表の井上智裕(三恵海運)は「先週の日体大での合宿の時から、技術面を若干修正し、今はそこを詰めている。技術の修正は一瞬でもできるので、本番には十分に間に合う。プレッシャーに襲われることもなく、前向きになっています」と言う。
不安があるとしたら、リオデジャネイロまでの30時間近いフライト。「今までの最高は15時間くらいですからね。想像つきません」と言う。しかし、「飛行機の中でずっと座っているのではなく、体を適度に動かすなどして、疲れを残さないようにしたい」と、体力を落とすことのない移動を目指す。
59kg級の太田忍(ALSOK)は「いよいよだな、という感じ。調子はいい。あとは、これを上げていくだけです」と気合を入れる。
井上と違い、2014年12月にブラジルへ行ったとこがあり、30時間近い移動は経験済み。しかし、今と季節が違い、ドイツ・フランクフルト経由と今回とは反対回り。「季節も行き方も違うから」と、前回の経験が役に立つことは少ないとみている。
それでも、協会のスポンサー(西川産業)から空気枕など移動を楽にできるアイテムを提供されており、「いつもの遠征より快適に行けるような気がします」と笑う。 度胸抜群! 「プレッシャーはまったくない」と言う井上智裕
井上が「メニューを見せてもらって、バランスがいいと思った。日本食があると心強い。やはり米は食べたい」と口にすれば、太田は「去年までのアジア選手権や今年のアジア予選でも、とても助かった。米とみそ汁は本当にありがたい」と話し、コンディションづくりの大きなパワーと期待する。
同時に、多くの人のサポートを受けてのオリンピック出場に、「結果を出して恩返ししたい」と気合をこめた。
チームは7日まで合宿し、8日に成田空港を出発。米国・ニューヨーク経由でリオデジャネイロへ向かう。