※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
現在の代々木競技場第1体育館での大会は今年が最後
「全国大会に出場できる」という“魅力”で選手集めをしているクラブもあり、残念なことだが、同連盟の今泉雄策会長は「ここ(代々木競技場第1体育館)は東京オリンピックに向けて改修に入るので、使用できなくなる。8面マットをしける体育館を探すことや、1600人が出場する大会運営は厳しい」と、会場や運営を考えるとやむをえない決断であることを説明した。
また、文部科学省から全国大会の位置づけの指導もあるという。「ブロック予選を導入するのも厳しい。1、2年生は地方大会で鍛え『頑張れば全国大会に行けるよ』と指導して、3年生から全国の舞台で頑張らせてほしい」と言う。
この大会は、以前は幼児も出場できていたが、2008年に1563選手の参加となり、限界となった。翌年から小学生だけの大会となり、1307選手から再スタート。今年、再び1600選手近くにまで増えた。
このままのペースで増えれば、5~6年も経てば小学校3年生以上だけでも1600選手が集まる大会になる可能性がある。同会長は「そうなったら、日程を増やすとかしないとならないでしょう」と苦渋の表情を浮かべた。
その前に直面するのが2020年の大会。来年の北九州大会のあと、2018年は大阪府に決まり、2019年も和歌山県が手を上げているが、2020年はこの日(7月24日)が東京オリンピックの開会式。オリンピックの期間中に大会を開催するのは、やはりためらわれる。
これより早いと学校があるし、8月9日の閉会式の後となると、お盆に入る。早い地域は8月20日ごろから二学期が始まるので、開催日をどうするかが大きな問題となる。「やらないわけにはいかないし、お盆の直後かな…。ゴールデンウイークにやってしまうことも一案」と同会長。
東京オリンピックと同時期に北関東で予定されている2020年インターハイは、オリンピックの関係で宿泊施設の確保が困難な状況へ。19競技で開催のめどが立っておらず、全国に開催地を求めている。場合によっては、オリンピック後の開催もありうる(注=レスリングは群馬県で開催)。
そうした競技との兼ね合いもあり、8月中旬に1500人規模に膨れ上がるであろう大会を開催できる体育館が見つかり、協力してくれる自治体があるかどうか。遅くとも3年後には決定せねばならず、新たな心配ができてしまった。