※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(取材=池田安佑美)
■男子グレコローマン・西口茂樹強化委員長の話「アジア予選で取った2枠から増やせなかったことは仕方がないです。勝ちに行ったのですが、力足らずでした。
鶴巻宰(自衛隊)は10kg以上の減量を乗り越えて精いっぱいやったと思う。あのベテランでさえ、本番でガス欠を起こしてしまった。力を出す気持ちは分かっていた。練習では出せていたものが、出し切れなかった。オリンピックに出られなかったことをばねに、自分が行けなかった夢を(指導者として次に)つなげてほしいなと思います。
斎川哲克(栃木・足利工高教)についても同じです。(オリンピック出場を決めた)イタリア選手と比べても差がなかった。紙一重の差の結果だった。ロンドンまではプロ選手でしたが、この4年間は途中から教員になったにもかかわらず、ここまでやってくれた。最後まで引っ張ってくれた第一人者で、『お疲れ様、よくやった』という言葉しかありません。
角雅人(自衛隊)も頑張ったと思います。トルコに1失点。岡でなかったら勝てないかな、と思ったこともありましたが、2番手でここまでやってくれたことで、東京につながるひとつが出たのかなと思う。園田新(拓大)も、3大会連続で出場し、メンタルが少しずつ強くなり、東京につながる試合ができたと思います。
全体を振り返って、オリンピック出場が2階級という結果は、寂しい結果になったことは事実です。本番では、太田忍(59kg級=ALSOK)、井上智裕(66kg級=三恵海運)の両者がメダルを獲れるよう頑張っていきたいです。
予選は予想どおりに厳しい闘いだった。最初から分かっていて、少しでも頑張ろうとやってきましたが、これが現状ですね。授業を欠席できない学生選手のため、人数の多い日体大で全日本合宿を行ったり、メンタルの先生にも来てもらったりと、やれることはやってきたつもりですが、足りなかった。
2階級にとどまった悔しさはあります。この悔しさを次につなげていきます」