※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(取材=池田安佑美)
■75kg級・鶴巻宰(自衛隊)「すみませんでした。こういう結果になって、オリンピックに出られない悔しさもあるんですけど、それ以上に、私に携わってくれて、応援してくれた人たちの期待に応えられなかったことが申し訳ないです。減量もうまくいって、気持ちの面でも『やってやろう』と盛り上がって、出場権をとってプレーオフを取るんだという気持ちで臨んだ。
(初戦敗退に)人生最後の試合だったのに、情けなくなった。2度目のグラウンドで、なんで回ってしまったのか分からない。本当に今回が現役最後だと思っている。区切りをつけたい。最後の試合を海外で迎えられたのはよかったけど、試合内容があれなので、悔いが残るのかな、とは思う。今後は指導者の道で頑張りたい」
■85kg級・角雅人(自衛隊)「とても悔しいです。今回は調整から調子がよくて、どんな相手が来ても勝ってやろうという気持ちだった。0−1ときん差ですが、点数が取れなかったのが自分の実力だと思った。開催地トルコの選手との対戦に、元木コーチが『相手のホームだけど、この声援がやむくらいに頑張って、ヒールになってこい』と言ってくれて、気持ちが楽になった。観客を黙らせるつもりでやった。
相手を崩して技につなげることができたら、残り1分あったので、もう一度僕にパッシーブが来たかなと思う。連係して技を出すことが足りなかった。アジア予選とモンゴル予選に出た岡(太一)先輩に『頼んだぞ』と言われていたのに、申し訳ない。今後の目標は85kg級に腰を据えて東京オリンピックで金メダルを目指したい」
■98kg級・斎川哲克(栃木・足利工高教)「試合に負けたことは率直に悔しいですし、満足のいく練習ができていなかったのが出たのかな、と思う。けれども、世界との差は感じていないし、日本の重量級もやれると思っている。リオデジャネイロ・オリンピックのグレコローマンは2枠しか取れなかったけど、紙一重のところで取れなかったという印象があります。
モンゴル予選からの連戦は、多少の疲れはあったし、試合とか連戦の経験がなくて不安もあったが、動きが悪かったとか、力が出なかったとかは、なかった。これが最後の試合で、いい現役生活だったなと思う。
2年前、現役を続けたいというくすぶった気持ちを『今しかできないんだから』と後押ししてくれたのは、学校の先生たち。環境を整えてくれた栃木県の教育委員会の先生方に感謝したい。あとはホームルームの生徒たちや部活の生徒たちに一番迷惑をかけた。
高校で長島偉之先生(1984年ロサンゼルス・オリンピック銀メダル)に、大学ではアテネ・北京と2大会もオリンピックに出場した松本慎吾先輩(現日体大監督)に師事できたことで、自分は大きく変われた。今後は、自分がそういう存在になっていきたいと思う」
■130kg級・園田新(拓大)「後悔はない、と言ったらうそになるけど、ここで立ち止まっても意味がないので、もう4年後の東京オリンピックに気持ちを切り変えました。3回戦の相手は、大学1年の時に1ヶ月間、ハンガリー遠征した時にずっと教えてくれていたコーチでした。そのコーチと試合ができたのはうれしかった。胸を借りるつもりで試合ができて満足している。
頭突きの反則を取られたが、今回のスタイルに後悔はしていない。あれが僕のレスリングで、これでいくんだ、と決めてやったことです。最初のグラウンドは、僕が回ったかなと思ったのがダメだった。続けていたら2点が入ったかもしれないのに力をゆるめてしまった。僕の悪いところです
去年の世界選手権から4大会連続ですべての予選の大会に参加できたのは、自分が日本代表で、僕しかいないんだと思えたし、今やっていることは間違っていないことが証明できたと思う。これを続けていけば、東京オリンピックでメダルを目指せるかもしれないので頑張りたい」