※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
リオデジャネイロで星条旗を揚げられるか、ジョーダン・バローズとアデライン・グレイ=2015年世界選手権(撮影・矢吹建夫)
前年の世界選手権で出場枠を取った選手のみならず、世界チャンピオンであっても負けたらオリンピック代表を逃すという厳しい選考システム。男子フリースタイル74kg級のジョーダン・バローズ、女子75kg級のアデライン・グレイは、ともに順当勝ちしてオリンピック出場を決めた。バローズは、オリンピック連覇を目指す。
女子55kg級で世界女王に輝いたヘレン・マロウリスは53kg級を勝ち抜いたが、この階級は出場枠を取っていないため、世界予選へ挑む。
過酷な闘いとなったのは男子フリースタイル97kg級。2012年ロンドン・オリンピック96kg級王者のジェーク・バーナーと昨年の世界王者のカイル・スナイダーが決勝(3戦2勝システム)で対戦。バーナーが初戦を4-4の内容差で勝ったものの、スナイダーが第2、3戦を勝ち、オリンピックのキップを手にした。
米国協会によると、前回のオリンピック金メダリストと現役世界王者がオリンピック代表を争ったケースとして、1988年ソウル・オリンピックでのフリースタイル62kg級があるという。この時は1987年世界王者のジョン・スミスが、1984年ロサンゼルス・オリンピック王者のランディ・ルイスを破り、オリンピックでも優勝した。
女子63kg級は、2012年世界女子選手権優勝で、2014年世界選手権2位のイェレナ・ピロズコワが、パンアメリカン予選で出場枠を取った選手に2連勝してオリンピック出場を決めた。2大会連続出場。
各階級のオリンピック代表選手と予選出場選手は下記の通り。最終セッションには1万1162人の観客が集まるなど、4セッションとも1万人を超える観客数だった。
◎リオデジャネイロ・オリンピック代表選手
【男子フリースタイル】
▼57kg級 Daniel Dennis =2015年ビル・ファーレル国際大会3位
▼74kg級 Jordan Burroughs =2012年オリンピック優勝、2011・13・15年世界選手権優勝
▼97kg級 Kyle Snyder =2015年世界選手権優勝
▼125kg級 Tervel Dlagnev =2012年オリンピック120kg級5位
【男子グレコローマン】
▼75kg級 Andy Bisek =2014・15年世界選手権3位
▼85kg級 Ben Provisor =2012年オリンピック74kg級11位/2015年デーブ・シュルツ国際大会80kg級優勝
▼130kg級 Robby Smith =2015年世界選手権5位
【女子】
▼63kg級 Elena Pirozhkova =2014年世界選手権2位/2015年世界選手権69kg級10位
▼75kg級 Adeline Gray =2014・15年世界選手権優勝
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◎オリンピック予選出場選手
【男子フリースタイル】
▼65kg級 Frank Molinaro =2016年パンアメリカン選手権70kg級優勝
▼86kg級 Jayden Cox
【男子グレコローマン】
▼59kg級 Jesse Thielke =2013年世界選手権60kg級8位
▼66kg級 RaVaughn Perkins =2016年デーブ・シュルツ国際大会優勝
▼98kg級 Joe Rau, Minneapolis =2015年ビル・ファーレル国際大会優勝
【女子】
▼48kg級 Haley Augello =2015年デーブ・シュルツ国際大会53kg級2位
▼53kg級 Helen Maroulis =2015年世界選手権55kg級優勝
▼58kg級 Kelsey Campbell =2012年オリンピック55kg級17位/2016年パンアメリカン選手権優勝
▼69kg級 Tamyra Mensah