2016.02.19

【アジア選手権・第3日】土性沙羅(至学館大)が優勝、伊藤彩香(東新住建)が2位、登坂絵莉(至学館大)が3位

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 【バンコク(タイ)】アジア選手権第3日は2月19日、タイ・バンコクで女子5階級が行われ、69kg級の土性沙羅(至学館大)が優勝、60kg級の伊藤彩香(東新住建)が2位、48kg級の登坂絵莉(至学館大)が3位となった。

 土性は1回戦で韓国、準決勝でモンゴルの選手を破った後、決勝で昨年2位、1月のヤリギン国際大会(ロシア)優勝のエルミラ・シズディコワ(カザフスタン)をテクニカルフォールで下し、実力の違いを見せた。

 土性は2年ぶりのアジア選手権優勝。国際大会では、2012年9月のゴールデンGP決勝大会(アゼルバイジャン)以来、7大会連続でメダルを獲得した。

 伊藤はベトナムとモンゴルの選手に快勝したあと、決勝で2014年のワールドカップ代表だった韓英艶(中国)と対戦。4-6で敗れて銀メダルに終わった。1月のヤリギン国際大会に続く2位で、2014年のゴールデンGP決勝大会以来、4大会連続で国際大会のメダル獲得。

 登坂は1、2回戦を勝ち抜いた後、準決勝で2014年アジア大会(韓国)決勝の相手、孫亜楠(中国)と対戦。微妙な判定の末、4-5で黒星。3位決定戦で昨年8位のダウレトビケ・ヤクシムロワ(ウズベキスタン)に快勝して銅メダルを取った。国際大会で優勝を逃したのは、2012年世界女子選手権(カナダ)以来、6大会ぶり。

 55kg級の角谷萌々果(至学館大)は準決勝でモンゴル選手に敗れて3位決定戦へ進み、2012年ロンドン・オリンピック55kg級代表のウム・イエウン(韓国)に2-4で敗れ、メダルを逃した。53kg級の入江ななみ(九州共立大)はパク・ヨンミ(北朝鮮)に敗れ、敗者復活戦へ回れなかった。

 各選手の成績は下記の通り。

善戦むなしく優勝を逃した60kg級の伊藤彩香(東新住建)

準決勝で黒星の48kg級の登坂絵莉(至学館大)は、3位決定戦で圧勝


 ◎女子

 【48kg級】登坂絵莉(至学館大)    3位=10選手出場

3決戦 ○[Tフォール、1:40=12-2]Dauletbike Yakhshimuratova(ウズベキスタン)
 《試合経過》第1ピリオド、先にテークダウンを取られて2点を失った登坂。すぐに片足タックルで取返し、足首を固めてアンクルホールド5回転、12-2とした。

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準決勝 ●[4-5]Sun Yanan(孫亜楠=中国)
 《試合経過》第1ピリオド、登坂がアクティブタイムを取られ、攻撃できずに1点を先制されたが、タックルで返して2-1。第2ピリオドは一進一退のあと、終盤に試合が動いた。登坂のタックルを相手はレッグホールドで返して2点。再度のレッグホールドは登坂が乗ったかに見え、登坂の4-3で試合終了。中国陣営のチャレンジの結果、2度目のレッグホールドが両者2点と判断され、4-5で相手の手が上がった。

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2回戦 ○[5-4]Kim Hyon Gyong(北朝鮮)
 《試合経過》第1ピリオド、登坂は落とされてバックを取られて2失点。第2ピリオドも左足への片足タックルで2点を取られ、0-4へ。ラスト30秒、相手のコーションで1点を獲得。登坂はタックルで攻めて2点を取り、ラスト数秒でローリング。このローリングはタイムアップと判断されたようだが、日本陣営のチャレンジの結果、5分58秒に決まっており、認められて5-4の勝利。

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1回戦 ○[1L-1]Ritu Ritu(インド)
 《試合経過》第1ピリオド、相手にアクティブタイムを与えた登坂だが、脇を差されて場外に出されて1失点。第2ピリオド、2度目のアクティブタイムを与え、反撃をゆるさずに1点を獲得。1-1のラストポイントで勝った。


 【53kg級】入江ななみ(九州共立大)     10位=13選手出場

1回戦 ●[Tフォール、3:49=1-12]Pak Yong Mi(北朝鮮)
 《試合経過》入江は第1ピリオド、相手にアクティブタイムを与え、30秒をしのいで1点。直後にタックルを受けてしまって1-2。第2ピリオド、タックルでバックを取られ、股間から腕を入れるローリングで2失点。続いて普通のローリングを3回転受けてしまい、1-12とされてしまった。

※敗者復活戦に回れず


 【55kg級】角谷萌々果(至学館大)     5位=9選手出場

3決戦 ●[2-4]Um Jieun(韓国)
 《試合経過》角谷が第1ピリオド、タックルから場外に出して1点を先制。第2ピリオド、タックルで攻めたが、回り込まれて2失点、場外へ出して2-2としたが、内容で負けている角谷は攻める。互角に組み合ったあと、いちかばちかのそり投げを仕掛けたが決まらず、2点を失った。

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準決勝 ●[5-6]Davaasukh Otgontsetseg(モンゴル)
 《試合経過》第1ピリオド、角谷は片足タックルで1点を取ったが、2度タックルをかわされてバックに回られ2-4へ。第2ピリオドも同様に2点を失う。終盤、場外に出して1点を取り、終了間際にテークダウンを取ったが、1点差に追い上げるのが精一杯だった。

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2回戦 ○[Tフォール、0:41=10-0]Rong Ningning(中国)
 《試合経過》第1ピリオドの開始早々にタックルを取った角谷は、アンクルホールドを4回転決め、1回戦と同じパターンでテクニカルフォール勝ち。

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1回戦 ○[Tフォール、0:35=10-0]Sevara Eshmuratova(ウズベキスタン)
 《試合経過》第1ピリオド、角谷が右足へのタックルを決め、アンクルホールド4回転。あっさり勝負を決めた。


 【60kg級】伊藤彩香(東新住建)    2位=8選手出場

決 勝 ●[4-6]Han Yingyan(中国)
 《試合経過》第1ピリオド、タックルの相打ちから相手が2点を先制。伊藤はタックルからニアフォールを奪って4-2と逆転。第2ピリオド、場外へ出されて4-3と追い上げられ、タックルをかわされて4-5と逆転された。終了間際、あと一歩でテークダウンに追い込むも認められず。チャレンジ(ビデオチェック要求)したが、実らずに4-6となった。

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準決勝 ○[フォール、4:59=6-2]Oyuntuya Otgonbat(モンゴル)
 《試合経過》第1ピリオド、伊藤の首投げは決まらなかったが、相手の体勢の崩れに乗じて2点。投げのような技でテークダウンを奪われて2-2。第2ピリオド、片足タックルを2度決めた後、正面タックル。エビ固めでフォールへ持ち込んだ。

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1回戦 ○[Tフォール、3:16=11-0]Dao Thi Huong(ベトナム)
 《試合経過》伊藤が第1ピリオド、相手にアクティブタイムを与えて30秒をしのぎ、1点を先制。飛行機投げで4点、タックルで4点を加え、フォールを狙ったが時間。第2ピリオド開始早々にタックルを決めて10-0へ。


 【69kg級】土性沙羅(至学館大)    優勝=8選手出場

決 勝 ○[Tフォール、4:57=11-1]Elmira Syzdykova(カザフスタン)
 《試合経過》第1ピリオド、土性はアクティブタイムを受け、1点を失ったが、すぐにタックルで2-1へ。第2ピリオド、場外へ出して1点を加えた後、4点となるタックル。ニアフォールを奪って9-1。相手のタックルをかわして11-1とした。

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準決勝 ○[13-4]Zorigt Bolortungalag(モンゴル)
 《試合経過》第1ピリオド、土性はテークダウンを奪われたが、すぐに取り返して2-2。タックルを決め、相手の一本背負いの失敗に乗じてテークダウンを取って6-2。落とされて2点を失ったが、体を入れ替えて7-4へ。第2ピリオド、4点タックルを決め、さらに2点を加えて13-4とした。

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1回戦 ○[Tフォール、1:58=10-0]Park Chaerin(韓国)
 《試合経過》土性は開始早々にタックルを決めて2点を先制。さらに4点タックルを2度決め、テクニカルフォール勝ち。