※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
決勝戦、相手をがっちり抑え込んで優勝した63kg級の川井梨紗子(至学館大)
川井は1回戦で2013年世界ジュニア選手権72kg級3位の徐燕(中国)を8-4で破り、準決勝で韓国選手に圧勝。決勝は北朝鮮の新鋭、リム・ヨンシム(北朝鮮)に4点タックルを決めるなどし、2分46秒、フォール勝ちした。川井は2014年世界ジュニア選手権59kg級に続いての国際大会優勝で、シニアでは2014年アジア選手権以来。63kg級では初の栄冠。
阿部は1回戦で中国、準決勝でインドの選手を撃破。しかし、決勝で2014年アジア大会3位のブルマー・オチルバト(モンゴル)に0-2で敗れた。2013・15年に世界ジュニア・チャンピオンに輝いている阿部は、シニアの国際大会では2014年のブラジル・カップ以来のメダル獲得となった。
男子グレコローマン59kg級の田野倉翔太(クリナップ)は1回戦で北朝鮮選手を破った後、2回戦で2014年アジア選手権3位のカニベク・ゾルチュベコフ(キルギス)にテクニカル・フォールで敗れた。敗者復活戦に回ったものの、2014年世界軍隊選手権2位のガウドラフ・シャルマ(インド)に2-2のラストポイントで敗れ、3位決定戦に回れなかった。
71kg級の山本貴裕(日体大)と85kg級の岡嶋勇也(拓大)は、ともに初戦で敗れ、敗者復活戦へ回れなかった。
男子グレコローマンは全階級を終了し、田野倉など4階級の8位が最高。国別対抗得点は15点を獲得し、9位だった。1位はイランで、2位はカザフスタン。アジア選手権の男子グレコローマンでメダルがなかったのは、2007年大会(キルギス)以来。
各選手の成績は下記の通り。
![]() 63kg級の国際大会で初優勝の川井(左から2人目) |
![]() 積極的に攻めた阿部梨乃(75kg級=日大)だが、惜しくも2位 |
◎男子グレコローマン
【59kg級】田野倉翔太(クリナップ) 8位=13選手
敗復戦 ●[2-2L]Sharma Gaurav(インド)
《試合経過》第1ピリオド、相手にパッシブを与えてグラウンドで攻撃した田野倉は、がぶり返しで2点を先制。続くがぶり返しは、首を絞めたと判断されてブレーク。そのあと、回り込まれて2点を取られて2-2。ラストポイントで負けている田野倉は第2ピリオド、必死に攻めたがポイントを取れず、2-2で終了。
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2回戦 ●[Tフォール、2:32=2-12]○Kanybek Zholchubekov(キルギス)
《試合経過》第1ピリオド、パッシブを取られてグラウンドの防御となった田野倉は、足を使って防いだと判断されて2失点。さらにリフトで2点を取られたが、、うまく返して自分も2点を獲得。このあと4点となるリフトを2度受けてしまい、2-12とされてしまった。
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1回戦 ○[7-5]Kwon Un Jin(北朝鮮)
《試合経過》第1ピリオド、先にパッシブを取られた田野倉は、グラウンドから立ち上がって失点を防ぐ。逆にパッシブを取り、がぶり返しで2点を先制。第2ピリオド、くぐりのタックルからローリングを決めて6-0。このあとコーションを取られ、バック投げを受けてしまって6-5。終了間際に首投げをこらえて1点差で試合終了。相手陣営からのチャレンジは認められず、1点が入って7-5。
【71kg級】山本貴裕(日体大) 8位=9選手出場
1回戦 ●[Tフォール、4:15=5-13]Yun Jong-Gyu(韓国)
《試合経過》第1ピリオド、パッシブを取られた山本はローリング3回転を受けてしまって0-6。すぐに首投げで4点を返したが、一本背負いを受けて再度6点差へ。さらに投げ技を受けて2点を取られたが、すぐにバックを取り返したので5-12。第2ピリオド、差しにいったが、体を入れ替えられて場外へ出され、8点差とされてしまった。
※敗者復活戦に回れず
【85kg級】岡嶋勇也(拓大) 10位=11選手出場
2回戦 ●[Tフォール、2:04=0-9]Yousef Ahmad Ghaderian(イラン)
《試合経過》第1ピリオド、場外で出されて1点を失った岡嶋は、パッシブでグラウンドの防御となり、ローリング4回転で0-9とされた。
※敗者復活戦に回れず
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1回戦 BYE
《国別対抗得点》
[1]イラン 71点、[2]カザフスタン 58点、[3]キルギス 49点、[4]ウズベキスタン 47点、[5]韓国 44点、[6]インド 43点、[7]中国 42点、[8]トルクメニスタン 16点、[9]日本 15点
◎女子
【63kg級】川井梨紗子(至学館大) 優勝=10選手出場
決 勝 ○[フォール、2:46=6-0]Rim Jong Sim(北朝鮮)
《試合経過》第1ピリオド、川井が相手の右足への片足タックルで2点を先制。続いて正面タックルで4点を取り、そのままフォールした。
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準決勝 ○[Tフォール0:58=10-0]Seo Heejeong(韓国)
《試合経過》第1ピリオド、川井がタックルを決めて4-0。さらに4点のタックルを決め、ローリングでポイントを重ねた。
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2回戦 ○[8-4]Xu Rui(徐燕=中国)
《試合経過》第1ピリオド、川井が2度テークダウンを奪って4-0。第2ピリオド、川井はさらに2点を加えたが、続くタックルをかわされてバックを取られ、ローリングで6-4。しかし終盤、片足タックルで2点を加えて突き放した。
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1回戦 BYE
【75kg級】阿部梨乃(日大) 2位=8選手出場
決 勝 ●[0-2]Burmaa Ochirbat(モンゴル)
《試合経過》第1ピリオドの前半、阿部は体を落とされてバックへ回られて2点を先制された。この2点を追って必死に攻めたが、オチルバトのうまい守りに決定力を欠き、アクティブタイムを与えることもできずに0-2で敗れた。
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準決勝 ○[3-1]Kiran Kiran(インド)
《試合経過》第1ピリオド、阿部がアクティブタイムを取られ、攻撃できずに1失点。第2ピリオドは、相手のアクティブタイムをしのいで1-1。終了間際、相手のタックルを阿部が回り込み、2点を取った。
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1回戦 ○[8-6]Qiandegenchagan Qiandegenchagan(銭徳根干=中国)
《試合経過》阿部は第1ピリオド、一本背負いで4点を先制。しかし、テークダウンを2度取られて4-4。第2ピリオド、お互いに2点を加えて6-6へ。ラスト30秒、内容で勝っている阿部がタックルを決め、2点を勝ち越した。