2016.02.16

アジア選手権(タイ・バンコク)の女子代表チームが出発

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 2月17日からタイ・バンコクで行われるアジア選手権に出場する女子チームが2月15日、羽田空港発の日本航空で出発した。

 オリンピック内定3選手を含めたメンバー。笹山秀雄監督(自衛隊)は「オリンピック選手3人を含め、全員がメダルには手が届くと思うが、特にオリンピック選手はけがのないようにし、オリンピックへ向けてのいいスタートとしてほしい」と話す。

 他の選手は「東京オリンピックへ向けて、もう闘いがスタートしている。いい状態で臨み、今持っているものを全部出し切ってほしい」と要望した。

 世界チャンピオンとして出場する48kg級の登坂絵莉(至学館大)は 「世界選手権から時間が経っているので、外国選手とどんな試合ができるかを試したい。(出場が予想される)中国の選手はとても強い選手。バックを取られたらローリングでもっていかれると思うので、絶対にバックを取らせず、もし取られたら全力でローリングをこらえたい」と気を引き締めた。

 大会に臨むにあたって、1ヶ月以上をかけての減量をテスト中。これまでのように10日で6kgを落とす方法だと、大会前のこの時期はあまり動けない状態だったそうだが、今回は「すごくよく動けます」と、いい状態をキープできているという。

 世界選手権の時に準決勝でばててしまったため、その対策として別の減量法をやってみようと思ったのが動機。「今は調子いいですが、長期間で落とすと、減量が終わっても体重が戻らないこともありえます。とりあえずやってみます」と、実践を通じて最高のコンディショニングを模索する。

 試合そのものも同じで、「ここがゴールではない。負けたら自分を見つめ直せるので、内容を考えながらやりたい」と、結果にこだわらずに、いろんなことを試してみる予定だ。

■オリンピック前の最後の国際大会で技を試し、課題の克服に挑む

 63kg級の川井梨紗子(至学館大)は「63kg級の経験が少ないので、まず経験を積んできます。優勝を目指す中で、今までの練習の成果を出してみたい。最近覚えた技を試してみて、使えるかどうかを判断してみたい」と、今大会の課題を話す。

 先月末のヤリギン国際大会(ロシア)で伊調馨選手(ALSOK)が負けたことは、川井にとって二重のショックだった。「馨さんでも負ける」というだれもが感じるショックのほか、リオデジャネイロ・オリンピックの後にこそ実現しようと思っていた打倒伊調の目標を先にやられてしまい、しかも勝ったオホン・プレブドルジ(モンゴル)は、2013年世界ジュニア選手権(ブルガリア)で自身がフォール勝ちしている選手だったからだ。

 「ショックでしたけど、自分も頑張らなければな、という気持ちになりました」と話し、これまで以上に気を引き締めてレスリングに打ち込んでいる。

 69kg級の土性沙羅(至学館大)は「オリンピック前の最後の国際大会。優勝を目指してしっかりやってきたい。世界選手権ではグラウンドで何度も返ってしまったので、そこをしっかり克服したい」と言う。

 オリンピックまで半年を切り、緊張モードも徐々に高まってきたという。先月末のオリンピック・テスト大会(ブラジル)では、昨年の世界1、2位などを含めた強豪選手が出場していた。「強い選手が出て、きちんと結果を出している。オリンピックで闘うことになると思うけど、負けられない」と言う。アジア・チャンピオンとなり、存在をアピールしたいところだ。

 なお、急きょ出場することになった58kg級の樋口美賀子(環太平洋大)は、日本チームのフライトが満席だったため、齋藤将士コーチ(警視庁)とともにこの日の別便でバンコクへ向かった。男子フリースタイルは17日に出発する。