2016.02.15

アジア選手権(タイ・バンコク)の男子グレコローマン代表チームが出発

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 2月17~21日にタイ・バンコクで行われるアジア選手権に出場する男子グレコローマン・チームが2月14日、羽田空港発の日本航空で出発した。

 馬渕賢司監督(中京学院大監督)は「(一番手選手による)ハンガリー遠征とは別に国内で合宿をさせていただいた。いい練習ができたと思う」と、二番手、三番手による大会参加であるにもかかわらず合宿を組んでもらった協会に感謝の言葉。

 その分、いい内容が求められる。ハンガリー・グランプリでは日本選手の得点能力の低さが露呈されてしまい、それは今回のチームの課題ともなる。「技の失敗を恐れずポイントを取りにいくことを重点的にやってきた。積極的に技をしかけてほしい」と言う。

 一方で、結果にもこだわりを見せる。今大会の結果はオリンピックの出場枠獲得には直接かかわらないが、「予選の前哨戦。この大会の結果で(予選3大会の)流れが決まると言ってもいい。チーム・ジャパンの第一歩として勝ちにこだわってほしい。2番手選手で出場する選手は、自分にオリンピック予選に出場するチャンスが来ると信じ、モチベーションを高く持って臨んでほしい」と要望した。

 75kg級の金久保武大主将(ALSOK)は「オリンピック予選の前哨戦ということで、結果を求める遠征にしたい。若手選手もいるので、試合、生活のすべてで後輩の手本となる行動をしたい」と参加の抱負。

 自身は残念ながらオリンピック予選に出場する資格を逃してしまい、リオデジャネイロ・オリンピックの道は閉ざされてしまったが、「選手生活の集大成として臨みます。レスリングへの恩返しという意味で、全力で闘ってきます」と話した。

■遅咲き&急成長の日体大2選手が初の代表入り

 66kg級の下山田培と71kg級の山本貴裕の日体大コンビは、ともに初の日本代表チーム入り。下山田は茨城・霞ヶ浦高出身だが、全国大会は無冠だった選手。日体大に進んでグレコローマンに活路を見出し、昨夏の全日本学生選手権で優勝するまでに成長した遅咲き選手。「日の丸を背負って闘うのは初めて。勝てる試合は必ず勝ち、いい報告ができるよう全力で闘ってきます」と力をこめた。

 日本代表が初というより、国際大会に出場すること自体が初めての経験。「外国の選手はどんなものなのか」という不安はあるそうだが、「日本代表として闘うことの期待の方が大きい。今までやってきたことを思う存分出してきたい」と言う。

 山本は、元々は柔道の選手。山口・豊浦高2年生の途中からレスリングにも取り組み、昨年は3年に満たないキャリアでアジア・ジュニア選手権(ミャンマー)の銅メダルを獲得した。今大会は全日本王者の永田克彦選手の出場辞退による繰り上げという形だが、3年半のキャリアで日本代表チーム入りを果たした成長株だ。

 「自分が一番の年下。若手らしく、思い切った試合をやりたい。(期待と不安の割合は)7:3か8:2で期待の方が大きい」と気合十分。アジア・ジュニア選手権では、「外国選手は第1ピリオドは強いけど、スタミナはあまりない」と感じたという。「シニアは違うと思いますが、練習の成果を出したい」と話した。

 大会日程と日本選手団は下記の通り。女子は15日、男子フリースタイルは17日にそれぞれ出発する。


《大会日程》
2月17日(水) 男子グレコローマン66・75・80・98・130kg級
   18日(木) 男子グレコローマン59・71・85kg級/女子63・75kg級
   19日(金) 女子48・53・55・60・69kg級
   20日(土) 女子58kg級/男子フリースタイル57・65・74・97kg級
   21日(日) 男子フリースタイル61・70・86・125kg級


 ◎役員

 【男子グレコローマン監督】馬渕賢司(中京学院大監督)、【同コーチ】飯室雅規(自衛隊)

 【女子監督】笹山秀雄(自衛隊)、【同コーチ】齊藤将士(警視庁)

 【男子フリースタイル監督】井上謙二(自衛隊)、【同コーチ】鈴木豊(自衛隊)

 【トレーナー】近敏成(ハンズコーポレーション)、佐藤守重(ファクトリージャパン)

 【帯同審判】沖山功(香川・香川中央高教)、篠原正樹(静岡・吉原工高教)、小池邦徳(奈良・天理教高学園高教)

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 ◎選手

 【男子グレコローマン】
▼59kg級  田野倉翔太(クリナップ)
▼66kg級  下山田培(日体大)
▼71kg級  山本貴裕(日体大)
▼75kg級  金久保武大(ALSOK)
▼80kg級  前田祐也(拓大)
▼85kg級  岡嶋勇也(拓大)
▼98kg級  米平安寛(三恵海運)
▼130kg級 津田大健(中京学院大)

 【女子】
▼48kg級  登坂絵莉(至学館大)
▼53kg級  入江ななみ(九州共立大)
▼55kg級  角谷萌々果(至学館大)
▼58kg級 樋口美賀子(環太平洋大)
▼60kg級  伊藤彩香(東新住建)
▼63kg級  川井梨紗子(至学館大)
▼69kg級  土性沙羅(至学館大)
▼75kg級  阿部梨乃(日大)

 【男子フリースタイル】
▼57kg級  川野陽介(自衛隊)
▼61kg級  乙黒圭祐(山梨学院大)
▼65kg級  鴨居正和(自衛隊)
▼70kg級  多胡島伸佳(早大)
▼74kg級  北村公平(阪神酒販)
▼86kg級  松坂誠應(日体大)
▼97kg級  山本康稀(日大)
▼125kg級 田中哲矢(自衛隊)