2016.01.26

男子フリースタイルの全日本チームが合宿スタート

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 男子フリースタイルの全日本チームが1月25日、東京・味の素トレーニングセンターで今年3回目の合宿をスタート。アジア選手権(2月17~21日、タイ・バンコク)の代表も決まり、オリンピック予選参加選手の体力強化とともに、アジア選手権代表による実践的な練習も取り入れた練習が始まった。練習の途中から日本協会の福田富昭会長が訪れ、選手を激励した。

 和田貴広・男子フリースタイル強化委員長(国士舘大教)は不在で、代わって練習の指揮をとった田南部力コーチ(警視庁)は「体力強化と技の確認がメーン。スパーリングは1面マットで1組とすることで場外際の闘いの練習をするなど、実践的な練習も取り入れてやっていきたい」と、今回の合宿のテーマを説明。

 前回の合宿でも行われたが、練習の最後はグレコローマン的な差し合い、押し合いの攻防を実施した。体力を使い切った状態で実施するのは、「(試合では)ラスト30秒くらいからは、技というより気持ちの問題。泥くさい闘いになっても、必死でポイントを取りに行く気持ちが大事。実践を想定しての練習です」と言う。

 福田会長は「何のために練習しているのか、各自がしっかり考えてほしい。勝つためだろ。そのための練習をやらなければならない。漫然と練習して毎日が終わってしまっては意味がない。何が足りないか、自分が一番よく知っている」と、テーマを持った練習をリクエスト。

 日本レスリング界は、戦後、日本が初参加したオリンピックである1952年ヘルシンキ大会で金メダルを取り、以後、輝かしい栄光を築いてきたことを説明。「いま、まだオリンピックの出場枠を取っていない。出場なし、なんてことになってはならない。勝つための練習を必死になってやってほしい」と伝えるとともに、「自分のために闘うんだ。恩師や協会のため、とかじゃない」と、自分自身のために気力を振り絞ってくれることを望んだ。

 合宿は31日まで行われる。

2020年へ向けての期待の星、山崎弥十朗(埼玉・埼玉栄高)と練習する高谷惣亮(左=ALSOK、74kg級)

重量級の期待を背負う山口剛(ブシロード=97kg級)

実戦に近い1マット1組のスパーリング

練習の最後に押し合い、差し合いの練習。気力を振り絞る