2016.01.10

オリンピック代表選手も参加して公認指導員講習会がスタート

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 日本協会・指導者育成委員会による指導員講習会の第2期が1月9日、東京・味の素トレーニングセンターで43人が受講して開講した。

 受講者の中には、2004年アテネ・2008年北京両オリンピック銀メダリストの伊調千春さん(青森・八戸工高教)ら女子の世界チャンピオン、2004年アテネ・オリンピック銅メダリストの井上謙二・自衛隊コーチ、2012年ロンドン・オリンピック代表の磯川孝生さん(徳山大職)、今年のリオデジャネイロ・オリンピック出場を目指す斎川哲克選手(栃木・足利工高教)らの姿もあった。

 レスリングの普及発展のため、指導者を育成する目的で毎年実施されている。2013年から、この講習会を受講し試験に合格しないと、国民体育大会には監督やコーチとして参加することができず、セコンドにつけないことになった。

 そのため、最近は全日本のトップレベルだった指導者も数多く参加するようになった。いずれは全日本レベルの大会にもその制度が導入される可能性もある。

 しかし、指導者育成委員会の多賀恒雄委員長(明大教)は「そうした目的だけではなく、説得力のある指導をするためにも参加してほしい。選手として一流であって技術を知っていても、指導は別物。理論を知っていてこそ、正しい指導ができる。年代別のトレーニング方法、けがの防止などの知識も不可欠」と話し、今後もできるだけ多くの指導者に受講を呼びかけていくという。

 この日は内藤可三・組織普及委員長(ニレ接骨院)によるテーピングの講義と、酒井久治審判員によるルール説明などが行われた。10、11日には救急措置、マナー・モラル、全日本の松永共広コーチと元木康年コーチによる技術指導法、トレーニング指導法などのプログラムが行われる。

 青森から参加した伊調さんは「知らなかったことが多く、指導の難しさを感じます。ルールは絶えず変わっているし、(受講は)必要なことだと思います。たくさんのことを学んで帰りたい」と話していた。