2012.02.18

【アジア選手権第2日】出場選手コメント

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 男子グレコローマン96kg級・山本雄資(警視庁)「2回戦の相手は韓国の一番手で、試合前はレベルが高いだろうと思っていたけど、それほどではなく、もっとできたと思う。中国と韓国の試合を見ても、ずば抜けてはいないので、中国ともいい勝負ができると思った。今回は自分がどのくらいの位置にいるのか分かったし、優勝したイランはレベルの差があると思ったが、あとは勝てない相手じゃないとわかった。

 優勝したイランの選手と競ることができるように練習しなければならない。五輪予選に関しては、僕は言える立場ではないですが、もし選ばれたら必ず取れるように準備する。相手が来るのを受けてばかりだったのは良くなかった。自分から出て相手の動きを止めるテクニックを練習します」


 男子グレコローマン・120kg級・前川勝利(早大)「準決勝の韓国は、スタンドを取りにくると予想していたけど、そうでもなかった。それよりもグラウンドでしっかり守られて返せなかったことがよくなかった。韓国は胴回りが大きく、手を入れにくかった。グラウンドの攻撃の技術を磨きたい。3位決定戦はスタンドで攻めようと思ったけど、相手の力が強く、こちらが動かそうとしても動かず、逆に自分だけばててしまい、グラウンドでも守られて返されてしまった。スタンドもグラウンドも良くなく、パワー不足も感じたので、全体的に強化していかなければ。

 今回よかったのは1,2回戦を勝てたということ。シニアでは初めての(個人戦の)国際大会で、勝てないと言われている重量級として白星をあげられたのは自信にも糧にもなる。五輪予選にいけることになったら、チャンスをものにして五輪に繋げられるようにしたい。所属に戻ってもチャンスがあるということを頭に入れて練習します」


 女子48kg級・登坂絵莉(愛知・至学館高)「負けてしまった初戦の中国戦は、2ピリオドとも自分が先制したのに取り返されてしまった。バックを取ってからもしつこくきて、弱気になってしまった。日本選手のレスリングと違った。強気で行こうと思ったのに、守りに入りすぎて相手にプレッシャーを与えられなかった。気持ちの弱さが出た。敗者復活戦に向け、『負けたことはしょうがない、メダルだけはとって帰ろう』と気持ちを切り替えた。相手はアジア・ジュニア選手権の決勝でやった相手で知っていたし、そのとき勝ったので気持ちに余裕もあり、自信を持っていけた。

 3位決定戦は知らない選手で、力も強く、想像以上に腕取りが離れなかった。でも、その外し方を直前の合宿で練習していたので、うまくあしらうことができた。アンクルホールドも何度もかかり、練習通りできた。力と体力がないとコーチに言われ、自分でもそう感じたので、帰ってから強化します。もっと得点力のある選手になりたい。自分からタックルして、ポイントを取られても絶対取り返せるようになりたい」


 女子51kg級・宮原優(JOCアカデミー/安部学院高)「弱気にならずに『こんな大きな舞台で試合できるんだ、思い切ってやろう』と思っていて、1回戦から前に出ることができた。キルギス戦ではタックル入ってからの処理がうまくできた。インド戦ではツー・オン・ワンがしつこく、強くて振り回され動揺したけど、1回戦と同じように前に出ようと立て直して、フェイントを多めに使ってタックルに入ることができた。でも、タックルに入ってから止まってしまい、そのまま突っ込んでしまって相手のポイントになった。無駄なポイントをあたえてはいけないので、反省点です。

 決勝も思い切ってレスリングしたいと思ってやった。でも相手の力と間合いがよく、落とされて焦り、相手にタックル入らされた感じになってしまった。焦らずに立て直して自分で間合いを詰めなければ。セコンドが『一つひとつ大事に』と言っているのに、もっと取りたいという欲が出てしまったのもよくなかった。これからの課題としては、タックル入ってからの処理とフェイント、崩しの練習、それとパワーです。去年、シニアの大会に出て同じことを感じて強化してきましたが、まだ足りませんでした。アジアのシニア大会は初めてでしたが、手足のすごく短い選手や逆にすごく長い選手などいろいろいて、どちらもやりにくかった。そういう選手ともっと練習していきたい」


 女子55kg級・村田夏南子(JOCアカデミー/安部学院高)「優勝はしたけど、課題が見つかりました。相手の力が強いと自分もそれに合わせて組んでしまい、ひざが伸びきってしまう。準決勝でバックを取られたのもそのせいだった。自分のレスリングを貫かなければいけない。決勝の相手も力が強かったけど、『投げに頼らず、ふだん自分がやっていることをやれ』と言われたので、自分の動きができたと思う。反省を活かせたことは良かった。今回高校生として最後の試合で良い結果が残せて良かった。今年はワールドカップにでて勝ちたい。大学生になったら、危ない試合ではなく安定した試合ができるようになりたい」