※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
世界選手権のあと、2度目の合宿の男子フリースタイル・チーム
和田貴広・男子フリースタイル強化委員長(国士舘大教)は「この合宿は世界選手権前から予定していた合宿。全日本選手権を待たず、全日本レベルの強化をスタートする必要がある」と、参加選手に世界選手権後の合宿の意味を説明。「全日本の中で競り勝つことは大事だが、競り勝って、それで世界で勝てるかどうかを考えてほしい。そのあとの+αがなければ世界でメダルは獲れない」と伝えた。
全日本選手権を2ヶ月後に控え、「けがはしてほしくない」としながら、「手を抜いて出し惜しみするようでは、オリンピックはない。集中力を持って練習に取り組んでほしい。全員が緊張感を持ってやってほしい。厳しいことも言うが、我々は本気だから、ついてきてほしい」ゲキをとばした。
74kg級の高谷惣亮(ALSOK)は「世界選手権前の重圧から一区切りついて臨む全日本合宿。余裕をもって自分の足りないところを補える」と話し、決戦前の合宿とは違う雰囲気で課題に取り組む。「試合は自分のいいところだけが出るわけではない。いろんなことに対応できる選択肢を、多くつくる作業中です」と言う。 和田委員長の技術指導
ただ、今は全日本選手権で圧勝優勝を目指しているとのことで、「それを区切りにしてアジア予選に向けて気持ちを切り替えていきたい」と、目の前の大会に全力を尽くすという。
世界選手権の61kg級で5位になった鴨居正和(自衛隊)は、全日本選手権はオリンピック階級の65kg級に上げて出場することを決意した。「今の体重はリミット(65kg)くらいで、パワーも通じないと思う。上げて一発目で勝てるほど甘くはない。勝つつもりで臨むが、経験を積みたい」と、今は体づくりに主眼を置き、勝敗を度外視して挑む腹積もり。
そのためウエートトレーニングに力を入れ、食事もしっかい摂っているという。「ここで終わりじゃない」と、2020年東京オリンピックへ向けて新階級へ挑む。
男子フリースタイル・チームは11月2日から同所で今年最後の合宿を行い、ひとまず解散。全日本選手権へ向かう。同選手権で優勝した選手は年明けから3月まで味の素トレーニングセンターに泊まり込み、オリンピック・アジア予選(カザフスタン)へ挑む。
![]() 巻き返しを期す高谷惣亮(ALSOK) |
![]() 65kg級へのアップを決意した鴨居正和(自衛隊) |