※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
期待の高谷惣亮(ALSOK)も出場枠を取れず
オリンピックのレスリング競技で予選が導入されたのは1992年バルセロナ大会から。前年の世界選手権が予選でなかった1996年アトランタ大会を除き、世界選手権で出場枠が取れなかったのは初めてのこと。
57kg級の高橋侑希(山梨学院大)は初戦の2回戦でホンジュラス選手を破ったとあと、3回戦で今年の世界ジュニア選手権55kg級優勝のマヒール・アミラスラノフ(アゼルバイジャン)を5-3で撃破した。しかし、4回戦(準々決勝)で今年のアジア選手権優勝のベクバヤール・エルデネバト(モンゴル)に1-2で黒星。エルデネバトが準決勝で敗れたため、敗者復活戦に回ることができなかった。
74kg級の高谷惣亮(ALSOK)は1回戦でプエルトリコ選手を破ったあと、2回戦で欧州チャンピオンのアニウアル・ゲデュエフ(ロシア)にテクニカルフォール負け。ゲデュエフが決勝に進めず、試合を終えた。
125kg級の荒木田進謙(警視庁)は2回戦で敗れたあと、敗者復活戦の第1試合でイラク選手を破った。しかし、3位決定戦進出をかけた同2回戦でアジア大会5位のチュルルンバト・ジャルガルサイカン(モンゴル)に1-2で惜敗。5位入賞を逃した。
70kg級の小島豪臣(神奈川・中原養護学教)は初戦の2回戦でハンガリー選手を破ったものの、3回戦で欧州大会5位のダビッド・トラシャーゼ(ジョージア=グルジア)に3-5で敗れた。
日本は両スタイルで男子フリースタイル61kg級の鴨居正和(自衛隊)の5位が最高だった、
各選手の成績は下記の通り。
※敗者復活戦=負けた相手が決勝へ進んだ場合、敗者復活戦へ回れる。そこを勝ち進むと3位決定戦へ。
◎男子フリースタイル
【57kg級】高橋侑希(山梨学院大) 9位=44選手出場
4回戦 ●[1-2]Bekhbayar Erdenebat(モンゴル)
《試合経過》第1ピリオドの中盤、高橋がタックルを受けてしまって0-2。第2ピリオドは相手にアクティブタイムを課すほど攻めて1点を取ったが、その後が続かず、1-2で振り切られた。
※敗者復活戦へ回れず
3回戦 ○[5-3]Mahir Amiraslanov(アゼルバイジャン)
《試合経過》高橋が相手にアクティブタイムを与え、攻撃を許さずに1点。終了間際にバックを取って2-0。第2ピリオドの前半にもテークダウンを取って5-1へ。終盤にタックルを受けてしまったが、5-3で振り切った。
2回戦 ○[フォール、1:11=10-0]Kevin Joshua Bonilla Gomez(ホンジュラス)
《試合経過》第1ピリオドの開始14秒で高橋は片足タックルからテークダウン。ローリングを2度決めて6-0とリード。1分すぎにもタックルからローリングの連続攻撃を決め、そのまま相手を抑え込んでフォールした。
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1回戦 BYE
【70kg級】小島豪臣(神奈川・中原養護学教) 16位=33選手出場
3回戦 ●[3-5]Davit Tlashadze(ジョージア)
《試合経過》第1ピリオド、小島は、相手に足を取られてこらえながら場外へ。3分50秒、グラウンドのもつれから1点を取り返す。4分30秒、ニアフォールで2点を奪われ、さらにタックルで失点。最後、バックポイントを奪って追い上げたが及ばなかった。
※敗者復活戦へ回れず
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2回戦 ○[2-1]Zsombor Istvan Gulyas(ハンガリー)
《試合経過》小島はアクティブタイムを取られ、第1ピリオドを0-1と先制される。第2ピリオドの序盤、足をかけてのテークダウンで2点を獲得。2-1で振り切った。
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1回戦 BYE
【74kg級】高谷惣亮(ALSOK) 14位=42選手出場
2回戦 ●[Tフォール、4:21=0-11]Aniuar Geduev(ロシア)
《試合経過》第1ピリオド、高谷はアクティブタイムを受けて攻撃しきれずに1失点。2分6秒、相手のタックルからテークダウンからローリングを許して4失点。第2ピリオド、高谷は両足タックルで反撃に出たところを場外際で投げられて4失点。さらにタックルで失点して0-11でテクニカルフォール負け。
※敗者復活戦へ回れず
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1回戦 ○[フォール、2:26=8-0]Francisco Daniel Soler Tanco(プエルトリコ)
《試合経過》開始49秒、高谷はタックルから時間をかけてテークダウン。高谷の耳の治療で試合が中断するが、その後、高谷の調子に影響はなく、タックルを奪い、2分26秒、抑え込んでフォールした。
【125kg級】荒木田進謙(警視庁) 8位=32選手出場
敗復戦 ●[1-2]Chuluunbat Jargalsaikhan(モンゴル)
《試合経過》第1ピリオド、荒木田はアクティブタイムを受け、攻撃できずに1失点。第2ピリオドは逆に相手にアクティブタイムを課して1点を獲得。5分すぎ、片足タックルを取られ、場外ポイントで1失点。このあと攻めたがポイントにつながらず、1点差でオリンピック出場枠を逃した。
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敗復戦 ○[負傷棄権、3:52=4-0]M. S. Abdulmalek Saklawe(イラク)
《試合経過》第1ピリオド、荒木田は相手にアクティブタイムを与え、30秒の間にも積極的に攻めてテークダウンを奪う。第2ピリオド、崩してバックを取って4-0。この時、相手が左脚を負傷し、棄権となった。
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2回戦 ●[Tフォール、4:04=0-11]Jamaladdin Magomedov(アゼルバイジャン)
《試合経過》第1ピリオド、アクティブタイムを取られて1点を失ったあと、タックルとローリングで2失点。第2ピリオドも2度のタックルとグラウンド技で失点し、0-11とされた。
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1回戦 ○[Tフォール、2:19=10-0]Hugo de Oliveira Da Cunha(ブラジル)
《試合経過》第1ピリオドの39秒、荒木田が相手を落としてバックへ回って2点。さらにカウンターでバックを奪うなどして主導権を握り、2分09秒でテクニカルフォールを奪った。