男子フリースタイル | 57kg | 61kg | 65kg | 70kg | 74kg | 86kg | 97kg | 125kg |
男子グレコローマン | 59kg | 66kg | 71kg | 75kg | 80kg | 85kg | 98kg | 130kg |
女 子 | 48kg | 53kg | 55kg | 58kg | 60kg | 63kg | 69kg | 75kg |
※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
男子フリースタイル | 57kg | 61kg | 65kg | 70kg | 74kg | 86kg | 97kg | 125kg |
男子グレコローマン | 59kg | 66kg | 71kg | 75kg | 80kg | 85kg | 98kg | 130kg |
女 子 | 48kg | 53kg | 55kg | 58kg | 60kg | 63kg | 69kg | 75kg |
《山口剛・略歴》 / 《山口剛・国際大会成績》 / 《男子フリースタイル97kg級展望》 / 《勝者の素顔》
《オリンピック&世界選手権・歴代優勝選手と日本選手成績=男子フリースタイル》
(文=樋口郁夫) 山口剛(ブシロード)
今年のアジア選手権銅メダルの実績を引っ提げ、リオデジャネイロ行きのキップをかけた世界選手権(9月7~12日、米国・ラスベガス)へ挑む。今年はオリンピック翌年の2013年に比べると、休養していた選手が戻り、レベルが高くなっていることが予想されるが、「(自分も)あの時よりは絶対に強くなっている。体力、技術、精神力とも」ときっぱり。
オリンピック予選という緊張が上乗せされることが予想されるが、「緊張しても仕方ない。リラックスして、自分の力を100%、120%出して勝ちに行きます。大事な試合になるほど、リラックスが大事だと思います」と、気負うことなく決戦の日を待っている。
■「外国選手は、スタミナがない」は間違い!
ブランク中の徹底した筋力トレーニングが功を奏したのか、昨年末に復帰してからの山口の活躍は目覚ましい。3月のブリヤード国際大会(ロシア)とモンゴル・オープンで連続銅メダル獲得。そしてアジア選手権の銅メダル。「階級を上げたばかりに感じた、どうしようもないパワーの差は感じません」とは頼もしい限り。
7月のジオルコウスキ国際大会(ポーランド)は上位進出を逃したが、「負けた相手は世界でも上位にくる選手。負けた中から見えた課題があった。世界選手権でなくてよかった」と前向きにとらえている。「メダルを取った3大会よりも有意義だったと言っていいかもしれません」とさえ言う。 全日本選抜選手権を快勝して2度目の世界選手権へ=撮影・矢吹建夫
だが山口は、「外国選手はスタミナがない」という説は、「必ずしも正しくない」と言う。「強い選手は、パワーがあってスタミナもあるんですよ」。では、終盤ばてるのは? 「準決勝とか決勝で、相手も強いからなんです」-。
強い相手だからこそ必死になって闘わねばならず、普通の試合以上のエネルギーを使う。並の選手、あるいはトップに至っていない選手までが相手なら、余裕をもって6分間を闘えるスタミナの持ち主ばかりだという。だからこそ、「1、2点リードされても、終盤へもつれれば…」などという考えは持てない。「最初からしつこく攻めてポイントを取りにいきます」と言う。
■“野獣の魂”を感じるジョージア選手
山口の成長は、単独武者修業の成果であると言っても過言ではない。ブシロードのバックアップのもとでジョージアへ単独遠征を繰り返し、外国選手との闘いに慣れたことが大きい。今年も2月と7月に遠征している。
この階級のジョージアは、世界レスリング連盟(UWW)のランキングに2~3人入る時があるなど、同国の黄金の階級。強豪を相手に鍛えるには最適の国。数年前から頻繁に行っているので生活習慣も慣れ、顔見知りも多い。けがをした“縁起の悪い国”であっても、足を運ぶ。 全日本合宿(東京・味の素トレーニングセンター)で練習する山口
日本なら、例えば新潟・十日町市の“虎の穴”(女子合宿所)名物の「金メダル坂」での競争の時、どの選手も九十九折(つづらおり)の道を必死になって走るのが普通だろう。ジョージアの選手なら、田んぼの中を突き抜け、段差をよじ登り、手段を選ばず1位になる方法をとるのではないか。
「国民性なのでしょうか」。日本のスポーツ界は根底に軍隊思想があり、一糸乱れぬ統制を求められることが多い。外国は自分流を貫くケースが多いような気がする。「どんな方法でも、1位になればいいだろ」という発想が、勝負の世界にどう影響するかは分からないが、ジョージア選手の破天荒ぶりに接していることは、何らかの面で役立ちそうだ。
ジョージアへの単独遠征を重ねられるのも、ブシロードの支援のおかげ。「木谷(高明)社長と永田(裕志)監督には感謝したい。今回は無理ですが、リオデジャネイロには来てくれるそうですので、来てもらえるようにしたい」と、オリンピック出場枠を取ることで支援に応えるつもりだ。
故郷の岐阜県体育協会からも、コーチ代という形での支援があり、期待を感じることのひとつ。勝つことで恩返しを目指す。
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