※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
決勝でインターハイ王者と闘う二ノ宮寛斗(岐阜・岐南工)
二ノ宮は「全国高校選抜大会も準々決勝で石黒選手に負けていた。スタイルが違うので、そのリベンジしたという気持ちにはなれないけど、高校のタイトルを取れたことはうれしい」と喜びを表す。2年連続でJOC杯カデット(フリースタイル)を制し、日本代表として世界カデット選手権にも出場しているが、高校のタイトルは別物。「高校のタイトルを取れたことがうれしい」と言う。
石黒とは昨年のこの大会の3位決定戦でも対戦し、負けている。通算3連敗中のライバルに勝てた要因は、「挑戦者の気持ちになれたこと」のほか、「岐南工」のシングレットで出る最後の大会という意識を挙げた(注=国体は「岐阜」のシングレット)。
「インターハイで負けて藤田(隆康)先生に勝つところを見せられなかった。今回は岐阜県チームで来ているので藤田先生は来ていないけど、岐南工の選手として全国一を先生に贈りたかった。その気持ちが最大の勝因だと思います」と言う。
3回戦で闘った白鳥慶樹(長野・小諸)もインターハイ96kg級王者で強豪の一人だった。「投げ技がうまく決まって勝てた」そうだが、決勝で闘うであろう石黒の存在が気になり、ここで勝っても安心する気持ちはまったくなかった。厳しい組み合わせだったが、それがかえって緊張の持続につながったのだろう。
「(本来のスタイルではない)グレコローマンであっても、優勝は優勝。これを自信にするとともに、慢心せずに頑張りたい」と話す二ノ宮には、25日からの世界カデット選手権(ボスニア・ヘルツェゴビナ)が待っている。「去年は1回戦と敗者復活戦で連敗している。外国選手は体つきもパワーも違い、太刀打ちできなかった。それから成長していることを見せたい」と、気合を入れた。
記念撮影を固辞する母・記子(のりこ)さんを、二ノ宮は「お母さんに捧げたいんだ」と説得。記子さんは大粒の涙! | |
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