※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
豪快なリフト技を爆発させて優勝した鈴木絢大(静岡・飛龍)
そんな中、決勝の舞台で会場を沸かせたのが、55kg級で優勝した鈴木絢大(静岡・飛龍)。最初が4点、2度目は場外にもつれてしまって1点だったが、豪快なリフトを仕掛け、2分44秒での圧勝優勝を飾った。
鈴木は「うれしいです。インターハイが不完全燃焼で終わった(ベスト8)。グレコローマンの方が得意なので、この大会は何としても優勝したかった」と第一声。インターハイ直後は負けを引きずってしまい、「ぐずぐずしてしまっていた」と言うが、1週間くらい前に開き直ることができ、気持ちを新たに臨んだという。
決勝の前に行われた4階級の3位決定戦に飛龍から2選手が出場し、ともに勝って3位を決めていた。「自分もやらないとならない、と思った。勇気をもらいました」と、チームメートの頑張りが大きなモチベーションになったという。技術的には「グラウンドやがぶり返しなど、自分の得意なパターンに持っていけた」と勝因を話した。
リフト技は得意技。ルール変更によって当初は「やりづらいかな」と思ったそうだが、「腕とりや胴タックルなどを使ってグラウンドにもっていくようにした。(スタンドの)技の幅が広がりました」と言う。不利になると思われたルールが、逆に実力を伸ばしてくれるのだから、何がプラスになるか分からない。 応援に来た母とともに
いずれグレコローマン専門でやっていきたいそうだが、まだ2年生なのでフリースタイルの大会も多い。「フリースタイルでも表彰台に上がれるように頑張りたい」と、しばらくは両スタイルで頑張る予定だ。
2012年ロンドン・オリンピックに出場した静岡県出身の長谷川恒平選手(現青山学院大職)が憧れであり、目標の選手。ロンドンで闘う長谷川選手をテレビで見て、「この舞台に立ちたい」と思った。「将来、長谷川選手の指導を受けたい?」との問いに、「声がかかれば」と控えめだったが、試合動画もよく見ているそうで、その技術を直に学びたい気持ちは十分にありそうだ。
静岡出身のオリンピアンを目標に、今月末、世界へはばたく。