※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文・撮影=増渕由気子) 世界選手権まで1ヶ月、合宿を再開した男子グレコローマン・チーム
59kg級代表の田野倉翔太(クリナップ)ら代表メンバー8選手は全員、顔をそろえたが、75kg級の金久保武大(ALSOK)はポーランドで負ったけがのため、マット練習はしなかった。
グレコローマンは、今年5月に一部のルールが変更され、グラウンドの防御の反則が厳しくなった。だが、世界選手権の前哨戦とうたわれるピトラシンスキ国際大会(ポーランド)では、さほど厳しくなかったため、情報が錯綜した。
西口茂樹・男子グレコローマン強化委員長(拓大教)は、ポーランドの遠征を踏まえて「大切なことはルールにこだわらず、レスリングの本質をしっかりと鍛えること」と力説。豊田雅俊コーチ(警視庁)も「ルールにこだわっている選手がいるが、自分のやっているレスリングスタイルをぶつければ、強い選手は勝っている」と、レスリングそのものに重点を置いて指導していた。
世界選手権まで1ヶ月だが、まだ体重調整をする期間でもない。今回の合宿では、本番で闘える体作り、今持っている技術を磨き上げることをモットーに追い込んでいく方針だ。
また、120kg級の元全日本王者の鈴木克彰氏(警視庁)が姿を見せ、唯一、減量ではなく増量が必須の130kg級の園田新(拓大)に食事のアドバイスを行っていた。
園田と、98kg級の米平安寛(三恵海運)、居残り練習を行っていた85kg級の岡太一(自衛隊)の重量級3選手は、9日からハンガリー遠征に出発する。
![]() 練習を厳しく見つめる西口茂樹・男子グレコローマン強化委員長(左)。向こう側には拓大の須藤元気監督 |
![]() 翌日からハンガリー遠征に参加する米平安寛(左)と園田新のスパーリング |