※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文・撮影=増渕由気子) 世界選手権代表決定後、初の全日本合宿をスタートした男子グレコローマン・チーム
合宿初日は85kg級の岡太一(自衛隊)が負傷のため不参加だったが、他の7選手が参加し、アジア・ジュニア選手権(7月9~12日、ミャンマー)、世界ジュニア選手権(8月11~16日、ブラジル)の日本代表の学生選手も参加した。
栄和人・強化本部長は、女子の合宿が新潟・十日町で行われている関係で欠席したが、西口茂樹・男子グレコローマン強化委員長に電話で「全力で厳しい練習に耐え、世界でメダルと獲れるようにしてほしい」との激励が届いた。
昨年のナショナル・チームと大きく変わった点は若手の台頭。8人の世界選手権代表メンバーに2012年ロンドン・オリンピック経験者はゼロ。リオデジャネイロだけでなく東京オリンピックも視野に入れることができる若手選手が多くなった。 6面マットいっぱいを使って行われた
59kg級の田野倉翔太(クリナップ)には60kg級で世界2位の経験を持つ笹本睦コーチ(日本協会専任コーチ)、俵返しを得意技とする75kg級の金久保武大(ALSOK)にはリフト技が得意だった豊田雅俊コーチ(警視庁)をあて、強化をはかる。
今回初代表に選ばれた66kg級の泉武志(一宮グループ)、98kg級の米平安寛(三恵海運)、大学生ながら2度目の世界選手権代表となった園田新(拓大)の3選手には、元木康年コーチ(自衛隊)をつけ、グラウンドの防御を中心に徹底的に鍛えるメニューを組んだ。西口強化委員長は「泉ら若手3選手には、この合宿で自衛隊のトップレベルのディフェンス能力を習得してもらう」と狙いを話した。
今回から男子グレコローマンのメンタルトレーナーとして、国立スポーツ科学センター(JISS)の米丸健太氏の指導を受けることになった。今回の合宿中に座学講義を取り入れる。
合宿は同所で7月2日まで行われ、そのまま新潟・十日町に移動して5日まで行われる。そのあと、代表全員がポーランドへ遠征し、合宿と「ピトラシンスキ国際大会」に出場して実戦練習を実施。重量級の岡、米平、園田の3選手は8月にハンガリー遠征も行う予定。
■女子は十日町で合宿、世界選手権代表候補4選手も参加
世界選手権代表を含む女子の全日本チームは6月26日から、来日中のブラジル・チームとともに新潟・十日町市で合宿をスタート。27日から“金メダル坂”のランニングなど恒例の練習を開始。世界選手権の代表決定が保留となった55kg級と63kg級も候補2選手ずつが参加。ライバルとのスパーリングが行われるなど、日本代表をめぐる“選考試験”も実施された。
笹山秀雄コーチ(自衛隊)は「日本代表選手の中には(全日本選抜選手権で)けがをした選手もいる。まずしっかり治させたい。今回は若手選手の底上げが主の合宿となる。ブラジル選手にも積極的に挑んでほしい。刺激を得て練習に励ませる」と話した。