※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(6月20日、東京・代々木競技場第2体育館)
■男子フリースタイル74kg級・嶋田育大(青森市協会=高谷惣亮の壁を破れず2位)「優勝以外は意味がないです。大量リードから追いついて勝つことは、国内外でよくあったので、リードされても悲観的にはならなかった。後半追い上げることができ、自分の持ち味は出せました。負けたことは悔しいですが、自分の力は出し切ったと思います。今回はレスリング人生の分岐点。集大成として臨んだので、このあとマットに上がることは考えていません。一度マットを離れてみて、0にして今後のことを考えます」
男子グレコローマン66kg級、松本隆太郎(青=日体大職)と藤村義(自衛隊)のオリンピアン同士の対戦
■男子グレコローマン66kg級・松本隆太郎(日体大職=初戦で同じオリンピアンの藤村義に黒星)「(左肩をアイシングしながら)肩は両方ともけがしています。右の方は手術をしてよくなりましたけど…。グラウンドの状態になったら左肩がしびれた。それをおいても、スタンドで取り切れなかったのが敗因。守れる防御をしないと世界には行けない。(いまの自分の立場は)選手兼大学のコーチ。練習は誰よりもやっていると思ったけど、全てにおいて高いレベルでやっていないとダメですね。今後? こんな状態なので、自分でもどうなるかわからない。体を治して考えたい」
■男子グレコローマン66kg・藤村義(自衛隊=準決勝で井上智裕に敗れ、世界選手権の道が閉ざされる)「準備段階で体調はよくなかった。相手の方が気持ちが強かった。(パーテールポジションが)やり直しになったのは、僕が脇を締めないで立ったからですかね。そこまでは聞いてはいなかった。でも、ルール変更はみんな一緒。言い訳にはならない。肩とかひじにけがが少しあるけれど、また一からやり直さないと。もうちょっと頑張りたい。(2回戦の松本隆太郎戦の勝利は)ついていましたね」
■男子グレコローマン66kg級・音泉秀幸(ALSOK=グレコ66㎏級 決勝で井上智裕に敗退)「やれるだけやりました。これが今の実力なのかと思います。今回は誰にでも勝てる自信があったけど、負けたわけですから、力不足とはっきり言えます。(大会に向け)主に筋力やフィジカルの強化をはかり、その成果は出ていたと思うけれど、それを試合に落としこめなかった。(決勝を争った)井上智裕選手に圧力は感じなかった。このままスタンドで押していけば勝てると思ったけど、グラウンドが難しく焦ってしまった」
■男子グレコローマン85kg級・鶴巻宰(自衛隊=アジア大会2位も、準決勝過去6戦全勝の天野雅之に黒星)「(グラウンドでの防御で反則の警告を取られたことについて)審判が『反則』と言えば、反則。従うしかない。反則で2点コーションを取られたが、テークダウン(によるテクニカルポイント)は取ったので、実力的には負けていない。ただ、最後のリフトを上げられなかったのは、自分が悪かったです。(改正されたルールは)世界選手権などを見て今後の対応を考えたい。まだ終わったわけじゃないので、気持ちを切り替えて、いつでも闘える準備はしておきます。12月(全日本選手権)は勝ちます」
■女子63kg級・渡利璃穏(アイシン・エィ・ダブリュ=アジア大会金メダリストの実績を生かせず2位)「(川井梨紗子との決勝は)1点の取り合いになるとは分かっていたが、入り切れず、それがダメだった。体格的にはもともと63kg級の私が有利だと思ったが、相手は組み手がうまくてアタックできなかった。手の内を知られているため強引にいけなかった。去年のアジア大会で金メダルを取ったのに、天皇杯(全日本選手権)で優勝してアピールできなかったことが一番駄目です」
■女子63kg級・伊藤友莉香(自衛隊=全日本チャンピオンながら、準決勝で本来2階級下の川井梨紗子に敗退)「今回は絶対に優勝し、世界選手権の権利を獲るんだとしてやってきたのに、試合中に最後まで攻める勇気がなかった。もっと自分から取りに行っていれば勝てたと思う。それが敗因。自分の問題です。全日本チャンピオンというプレッシャーは感じていなかったけど、今回が一番のチャンスと思いすぎていたのかもしれません。(伊調)馨さんが階級変更をしたことで、多くの選手がこの階級に集まってくると思っていた。出場選手数が増えたことは予想通り。その中で勝っていかなければいけないのに…」
■女子69kg級・工藤佳代子(自衛隊=ラスト30秒での4-4の内容リードもむなしく、土性沙羅に敗れる)「(判定が覆って4ポイント入り、逆転できたことについて)あそこで4点入るとは思わなかった。(その直後)土性選手は絶対入ってくると思ったので、自分から取りに行こうと思ったけど、先に入られてしまった。もうちょっと勝ちにこだわって、最後は守ることもできたかもしれないけど、守り切れなかった。力不足です。今回は最後のチャンスだと思い、絶対にモノにしたいという思いがあったので悔しい」