※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
昨年9月、対抗馬なしでUWW会長に再選されたネナド・ラロビッチ会長(中央)
同サイトによると、次回のIOC委員の改選は来年8月にリオデジャネイロで行われるIOC総会の予定だったが、ラロビッチ会長が今月7日からスイス・ローザンヌで行われるIOC理事会に自身の立候補をリクエストし、来月31日にマレーシア・クアラルンプールで行われる総会の議題となる承認をもらったという。同総会では2022年冬季オリンピックの開催地が決まる。
IOC委員は115の枠があり、IOCが資格を持つと判断した人物の中から選ばれる。基本は1ヶ国から1人で、その他、会長の指名で10人以内、国際競技連盟(IF)から15人以内などが選ばれるので、1ヶ国から複数名が名を連ねる場合もある。70歳定年制(1999年以前の選出委員は80歳)があり、現在の委員は111人。4枠が空いている。
IFの代表はすでに15人いるので、ラロビッチ会長がIOC委員に選ばれるとしてもIF代表ではなく、セルビアからの代表となる見込み。
ラロビッチ会長は2013年2月にレスリングがオリンピック競技からの除外候補になった時、国際レスリング連盟(FILA=現UWW)の会長代行に選出され、5月の臨時総会で会長へ。レスリングをオリンピック競技から守るべく多くのIOC委員と外交を重ねるとともに、ルール変更、UWWの組織整備などの改革を実行。短期間での改革手腕がIOC委員から評価を受けているという。
レスリング界からは、1972~2002年にFILA会長を務めたミラン・エルセガン会長(ユーゴ)がIOC委員だった。その後、韓国レスリング協会のスポンサーやパキスタン・レスリング協会の会長などがIOC委員に名を連ねていたが、FILA~UWWの役員でIOC委員になっていた人はおらず、オリンピック存続の危機はIOCとのパイプの細さも一因だった。