※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
日本協会・審判員会は5月29日、世界レスリング連盟(UWW)が追加改正したルール―を下記の通り発表した。来年のリオデジャネイロ・オリンピックまではこのルールで実施される。
来月19日(金)~21日(日)に世界選手権予選として行われる明治杯全日本選抜選手権(東京・代々木競技場第2体育館)はこのルールを適用。各日とも試合前にマット上で講習会を実施し、改正ルールの熟知を求めるという。
男子グレコローマンの追加・改正ルールは下記の通り。
■攻撃者の反則(足かけ等)は、1回目が口頭注意、2回目が「警告+相手に2点」となる。
■グラウンドからのリフト技で相手を投げながら、相手が腹ばいになってデンジャーポイントでない状態で落ちた場合、従来はコレクトホールドの1点(5月13日の段階で2点へ)だったが、4点となる(参考記事)。ただし、デンジャーにならないコレクトホールドは2点のまま。したがって、投げ技のポイントは5点(大技)、4点、2点の3種類となる。
■ガッツレンチ(ローリング)に際し、攻撃の選手が肩をついた場合(オートツッシュ)の失点は廃止。したがって、5月以前は両者2点だったケース、5月の改正時点では1(防御選手)-2(攻撃選手)だったケースが、攻撃選手のみ2点となる。
フリースタイル(男子フリースタイル・女子)の改正ルールは下記の通り。
■ガッツレンチ(ローリング)とアンクルホールドはすべて2点(従来は1点の場合あり)
■グレコローマン同様、オートツッシュの失点は廃止。したがって、これまでは両者2点だったケースが、攻撃選手のみ2点となる。
2015年 UWWルール変更について(追加) 5/29
(公財)日本レスリング協会
審 判 委 員 会
5月13日付でルール改正をHPで掲載しましたが、5月22日~24日にUWW審判会議がフランクフルトで実施され、以下の点が追加改正されました。
リオデジャネイロオリンピックまでは、今回のルールで実施されます。関係者はルールをよく理解し、試合に臨むようお願いいたします。
グレコローマンスタイルルールの変更について
*全ての年代の変更点は以下のとおりとする、
1) 全ての反則は「○+2」とする。
* 投げられた時に、反則をした場合 4点+○+2点
* 頭突き・平手打ち・全ての脚を使う反則(攻撃者・防御者共)
シングレットを掴む行為・指を絡める行為等(禁止事項)
* 攻撃者の反則(足かけ等)1回目注意・2回目 ○+2とする。
* 場外逃避・技術回避はダイレクトに○+2とする。
* パーテレポジッションのフライング(上・下の選手共)
* スタンドの反則はスタンドからグランドの反則はパーテレからスタート。
2) 大技の投げの5点は継続。
3) スタンドからダイレクトのデンジャーは4点。
リフトからのグランドアンプリチュードからノーデンジャー 4点(改正点)
パーテレからリフトでのダイレクトデンジャーは4点
4) スタンドからのデンジャーにならない投げ技は2点(コレクトホールド)
パーテレからリフトのデンジャーポジッションにならない場合は2点
5) 場外に1足でた場合は従来通り、1Pとする。しかし攻撃選手が技をかけて
1足でた場合はペナルティはなしとする。
*押し出しはNo Point (1回目注意・2回目 ○+2)
*攻撃者は1足出たあとの技は有効とする。
*攻撃者が1足出て技がストップした場合はペナルティーなしでセンターから
*攻撃者が2足出てかけた場合、ストップでポイントなしでセンターから
6) パーテレの反則について
*パーテレでの防御者は両手を開いて守らなければならない。
*防御レスラーが攻撃レスラーのホールドを防ぐために肘を身体に近づけたり、(脇を締める)肘や膝・脚を閉じることをしてはならない。
違反するレスラーに対し、口頭注意が与えられ従わない場合、または再度行った場合は○+2点が与えられ再度、パーテレから再開する。
7) 全てのガッツレンチは2点とする。(回数に制限なし)
*攻撃者が肩をついた場合(オートツッシュ)の失点は廃止する
シニア階級の変更点について
1) オーダードパーテレの継続(○でなくPを与える)
1回目 試合を止めずに明確な口頭注意(レマーク)
2回目 試合を止め、Pを与え上・下の選択
3回目 試合を止め、P+1を与え上・下の選択
4回目以降 試合を止め、P+1を与え上・下の選択
*0-0の場合は4分30秒以内にどちらかのレスラーに3回目の注意を与え1点を成立させなければならない。
その他の年齢グループの変更(スクールボーイ・カデット・ジュニア・U23)
1) オーダードパーテレの廃止
1回目 試合を止めず口頭注意(レマーク)
2回目 試合を止めずPを与える。
3回目 試合を止めずP+1を与える。
4回目 試合を止めずPを与える
5回目 試合を止めずP+1を与える。
*2回目のPで相手に1点を与えるが試合は中断しない。
フリースタイルの改正点(新改正点)
1) ガッツレンチ・アンクルホールド等の技は全て2点とする。(回数に制限なし)
*オートツッシュの失点1は廃止とする。
2) フリースタイルでタックルで持ち上げて、場外に出た場合はノーポイント。
タックルからのステップアウトの場合は1点失点とする。
追記
* チャレンジのVTRをみる審判員は
審判長(インストラクター)
ジュリー(スーパーバイザー)
マットチャーマンの3名とする。
*ポイントはジュリーが提示し、プラスポイントはマットチャーマンが提示する。
*以上の変更点は、5月29日より実施するものとする。