※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
チームの団結を強く訴えた佐藤満・強化委員長
佐藤満強化委員長(専大教)は練習前、選手に対して「1日1日を大切にすることで可能性が広がる。金メダルを目指してきたことを忘れないでほしい。1人でもいい加減な気持ちを持っている選手がいると、金メダルを1個も取れないことになる。全日本選手権で敗れ、夢がかなわなかった選手の思いも持って練習に打ち込んでほしい」と話し、毎日の努力とチームの団結を熱く訴えた。
男子で唯一五輪代表の決まっているフリースタイル66kg級の米満達弘(自衛隊)には、「(他の選手と当面目指すところが違うので)気持ちの持ち方が大変だけど、目標を見失わないようにし、金メダルの確率を100パーセントに近づけてほしい」と注文した。
練習パートナーとして参加した選手は、今回の五輪代表争いに敗れ、早くも4年後を目指して始動した選手ばかり。「4年後に金メダルを取りにいく気持ちで練習をしていけば、実力がついていく」とエールを送った。
■新ルールは、日本選手に有利か?
グレコローマンはルールの微修正が予定されている。これまでは1分30秒の段階でどちらかがリードしていれば、最後の30秒はリードしている選手がパーテールポジションの攻撃側となって再開されたが、新ルールではそのまま続けられる。
練習する長谷川恒平(赤)を見守る伊藤広道・強化副委員長
グレコローマン55kg級の長谷川恒平(福一漁業)は「1分30秒の段階でリードされていても逆転できるチャンスが大きくなったと、ポジティブ(肯定的)に受け止めている」と話し、スタミナのある日本選手にとっては、終盤に逆転する可能性が高くなって有利なルール変更と分析する。
逆に言えば、リードしていても最後にひっくり返される可能性も高くなったわけで、外国選手の中にはばてながらも終盤に爆発的なパワーで反撃してくる選手がいるのも事実。リードしていても最後の30秒に逆転されないよう、「これまで以上に終盤の防御の強さが必要になってくる」と言う。
今月末には欧州へ遠征し、ベービ・エメレ国際大会(1月28~29日、トルコ)に出場する予定。「試合をしてこそ対策が分かる。実戦で新ルールを学んできたい」と話した。
合宿は20日まで行われる。18日には1964年東京五輪の5人の金メダリストが練習を訪れ、選手を激励する予定。
![]() 約半年後を照準とした闘いが始まった米満達弘。 |
![]() グレコローマンの新ルールを説明する伊藤広道・強化副委員長 |