2015.03.29

【全国高校選抜大会・特集】「勝負はこれから」と、夏に強い花咲徳栄(埼玉)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(文=樋口郁夫)

 昨年のインターハイで優勝、チームが変わったとはいえ今大会の優勝候補のひとつだった花咲徳栄(埼玉)が、決勝で京都八幡(京都)に3-4で敗れ、この大会の初優勝はならなかった。2012・13年に続く準優勝。

 高坂拓也監督は「軽量級で波に乗れなかった。安定感が足りなかった」と話す一方、「84kg級の古市和久主将は約74kgの体重で、84kg級ではきついことに加え、鼻を骨折していて練習不足だった。その中でよくやってくれた」と、選手をねぎらった。

 インターハイで優勝した2012年と昨年もこの大会では勝てず、ここから強くなっていって全国制覇を成し遂げた。それだけに、「勝負はこれから。この大会で課題を見つけ、インターハイへ向けて強化していけばいい」と気持ちを切り替え、インターハイでのでの雪辱を誓った。

 ただ、インターハイに出場するには、埼玉県予選でユース・オリンピック王者などを擁する埼玉栄を破らなければならない。2月の関東高校選抜大会(関東予選)では、主力をけがで欠いて埼玉栄に屈しただけに、「まず、けがをしないことが大事。いい状況で予選に臨ませたい」と話す。

 一県で全国トップレベルの高校が2校あるのは厳しい状況だが、「レスリング界にとってはいいことだと思います。無風状態の県もありますが、県内で激しい予選があった方が、全体にとってはいいはずです」と、現状を真正面から受け止め、勝ち抜く腹積もりだ。

 全国一の激戦と思われる県内予選は6月20日(土)。インターハイの学校対抗戦に、花咲徳栄の姿はあるか-。