2015.02.28

2020ターゲットエイジ育成・強化プロジェクト「タレント発掘・育成コンソーシアム」事業報告(9)…第2回男子U-15/カデット育成キャンプ

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

2020ターゲットエイジ育成・強化プロジェクト「タレント発掘・育成コンソーシアム」事業報告(9)
第2回男子U-15/カデット育成キャンプ

2020TAコンソーシアム
プロジェクトマネジャ― 清水聖志人


 2011年に制定した「スポーツ基本法」は、我が国におけるスポーツの施策策定および実施を国が責任を持って行うことを明確に示した。それを受けて2012年に策定された「スポーツ基本計画」に則り、文部科学省は新たな事業を実施している。その中の一つが、独立行政法人日本スポーツ振興センターが委託を受け、本協会が受託している2020ターゲットエイジ育成強化プロジェクト「タレント発掘・育成コンソーシアム」(以下、2020TAコンソーシアム)である。

 本事業は、各世代のタレント選考基準の作成や国内・海外育成プログラムの高品質化に注力し、JWF独自の発掘・育成・強化システムの構築に向け、アスリート選抜システム構築事業を推進する。

 2015年2月13日(金)~2月15日(日)の期間、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターにおいて2020TAコンソーシアムの一環にて、第2回男子U-15/カデット育成キャンプを実施した。本キャンプは、U-15世代とカデット世代の優秀なタレントを対象に、高品質な機会(トレーニング、コーチング、教育プログラム、形態・フィットネスデータのフィードバックなど)を提供することを目的としている。

 また、タレント選抜プログラムおよび海外育成プログラムの開発を目指していることから、本キャンプ中に実施したプログラムの結果を分析し、エビデンスに基づくプログラムの開発を推進する。今回のキャンプには、日本レスリング界の将来を担うU-15世代の13名とカデット世代18名の有望タレントに加計31名が参加した。

 レスリングの2020TAコンソーシアムは、「インテリジェントレスラーの育成」をコンセプトとしており、全国のU-12世代、U-15世代、カデット世代、ジュニア世代から優秀なタレントを発掘し、国内育成プログラムによって育成を行う。国内育成プログラムに参加した中で、特に優秀なタレントには海外における実践機会を提供する(海外育成プログラム)。

 また、高度レベルの競技活動を通して得た経験や知識を基に、日本のリーダーとなるアスリートの育成を目指すため、「教育プログラム」に注力しているのが特徴である。今回キャンプにおいては、「メンタルトレーニング」と「状況に応じた栄養摂取」の2つの教育プログラムが展開された。

 マットトレーニングにおいては、ナショナルチームコーチより、この世代の技術的課題について徹底したコーチングを展開した。フリースタイルにおいては、主にディフェンス動作、がぶりに加え、アタックからポイント獲得までの処理に関するコーチングを行った。グレコローマンスタイルにおいては、差しからの展開、胴タックルに加え、グラウンドのディフェンスに関して、徹底したコーチングが行われた。

 国内育成プログラムは、優れた才能を持ったアスリートに対して、最適な機会をパッケージ化された育成プログラムとして提供している。今回実施された、トレーニングにおいては、ナショナルチームも指導するコーチらが担当したことで、年代に応じた高品質のコーチングを提供することができた。

 教育プログラムにおいては、スポーツ心理学のスポーツ栄養学のエキスパートより、インタラクティブなプログラムを展開いただき、参加選手たちの評価も高かった。

 長期的な視点に立った強化・育成は、国際競技力向上のためには不可欠な施策であり、本事業をより、充実させることが肝要となる。

 本事業は、オリンピック競技大会において永続的にメダルを獲得できる強化・育成システムの構築を目指すものであり、文部科学省及び独立行政法人日本スポーツ振興センターより事業の成果報告が求められる。このことから、本協会に関わる全ての関係者が方向性を共有し、事業の推進に努める必要がある。

フリースタイル技術練習の様子

和田フリースタイル強化委員長(国士舘大学教)による激励

伊藤コーチ(自衛隊)による基本動作のコーチング

教育プログラム_状況に応じた栄養摂取(元永恵子 氏・国立スポーツ科学センター)

教育プログラム_メンタルトレーニングに挑戦(奥野真由 氏・国立スポーツ科学センター)

キックオフMTGの様子(短期目標の設定)