※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
ベルト・レスリングに取り組むイラン女子選手=UWW提供
イランは宗教上の理由により、女性がレスリングをすることのみならず、国内では観戦することも禁止されている(外国では観戦している)。しかし近年、女性に門戸を開く動きが出てきている。昨年、首都テヘランで行われた男子グレコローマンのワールドカップでは、米国の女性団長がマットに上がった。イラン国内で女性がマットに上がったのは初めてという。
先週、同じくテヘランで行われた男子グレコローマンのワールドカップでは、UWWの女性理事であるロディカ・ヤクシ理事(トルコ)ほか、イラン・レスリング協会・国際委員会の女性委員長、女子ベルト・レスリング委員会の委員長らが参加している。
UWWのネナド・ラロビッチ会長(セルビア)は「イラン協会が国内において女性のレスリング活動への参加に取り組んでいることは、とても有意義なことだ。私たちはイランの行動を称賛し、その活動を熱心にサポートしていきたい」と話した。
ベルト・レスリングの女子の世界選手権は、今年12月にイランで予定されているが、イラン女子が参加する最初の大会がこの大会になるかどうかは不明という。
ベルト・レスリングは2013年にユニバーシアードが行われたロシア・カザンを中心とした地域で発達した数百年の歴史を持つ格闘技。腰に巻いた帯をお互いに持ち合い相手を投げて背中から落として勝敗を競う。
同所でのユニバーシアードで実施され、日本から男女各2選手が出場。男子は2選手とも初戦敗退だったが、女子では76kg級の阿部梨乃(日大)が3試合に勝って優勝、58kg級の坂上嘉津季(至学館大)が銀メダルを取った。
![]() 男子グレコローマンのワールドカップに参加したUWWのロディカ・ヤクシ理事(左から2人目=トルコ)ら女性役員=UWW提供 |
![]() 2013年ユニバーシアードのベルト・レスリングで優勝した阿部梨乃選手(日大) |