※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
米国遠征のグレコローマン・チーム
グレコローマン・チームは大会に先立ち、25日に同所で行われる団体戦の「ジャック・ピント・カップ」に出場してから「デーブ・シュルツ国際大会」に出場する。同大会は、世界レスリング連盟(UWW)が検討している新ルールのテスト大会。出場選手は、コーションで与えられたパーテール・ポジションの選択がなくなるなどテスト・ルール下で闘う。
馬渕賢司監督(中京学院大監督)は「学生選抜とはいえ、オリンピックへ向けてのターゲット選手に入っている選手もいる。最低でも2試合できる試合方式であり、団体戦を入れれば多くの試合をこなせる。外国選手と闘う経験を多く積ませ、外国選手に対して物おじする気持ちをなくしてやりたい」と、試合をこなす中からの精神面の成長を期待。
テスト・ルールについては「(自分は)ナショナルチームの強化委員でもあるので、新ルールをいち早く体験できる機会をもらえたことは貴重。帯同審判(小池邦徳審判員=奈良・天理教高学園高教)とともにルールをしっかり研究したい。レスリング自体は変わらなくとも、ルールによってトレーニング法や戦術は変わる。今後の練習を考えていきたい」と、今回の経験をいち早く協会と強化委員会にフィードバックする腹積もりだ。
藤山慎平コーチ(九州共立大コーチ)は「世界で一番早く新ルールを体験することになり、日本に持ち帰って広める役割もあると思う。しっかり学んできたい。参加する選手には、学生代表というより、日本代表という意識を持たせ、ひとつでも多くのメダルを取ってきたい」と話した。
■「まず団体戦で勝って日本の強さを見せつけたい」…志喜屋正明主将
グレコローマン・チームに4年生はいないため、3年生の合議の末に主将に推された98kg級の志喜屋正明(国士舘大)は「まず団体戦がある。チームをまとめて勝ちに行き、日本の強さを見せつけ、(デーブ・シュルツ国際大会へ向けて)勢いをつけたい」と団結を強調。 出発前のミーティング
全日本メンバーでもある59kg級の太田忍(日体大)は、2日前に胃腸炎にかかって体調は万全ではなく、体重が減ってしまったとのことだが、「去年の大会にスペンサー・マンゴ(米国=昨年の世界選手権5位、オリンピック2度出場)が出ていた。やってみたい選手だったので、今年はぜひ闘いたい」と気合十分。
2月下旬からの全日本チームのハンガリー遠征にも声がかかっており、昨年のイラン~ハンガリー遠征に続いて、この冬も海外で十分に経験を積むことになった。昨年、アジア選手権2位、学生二冠王(全日本学生選手権、全日本大学グレコローマン選手権)、国体優勝、全日本選手権2位など一気に飛躍できたのは、「冬の遠征が大きかった。今年も冬の遠征でワンランクアップしたい」と言う。
グレコローマン・チームではただ一人、1年生で選ばれた80kg級の塩川貫太(日体大)は「そんなに強い選手ではないにもかかわらず選んでいただいた、このチャンスを生かして優勝を目指したい。アメリカのグレコローマンは力強いと聞いている。力ではかなわないでしょうし、スタンド重視となるテスト・ルールは、パワーのある外国選手が有利になるかもしれませんが、精いっぱい頑張りたい」と全力ファイトを宣言。
昨年8月の全日本学生選手権は、決勝で6-0とリードしながら、ラスト10秒をこらえられずに逆転負け。1年生王者の偉業を逃した。「悔しかったです。今年度最後の試合を優勝で飾り、大学最初の年の締めにしたい」と、好成績を残して新年度を迎えたい気持ちを表した。
派遣選手は下記の通り。
◎役員
【男子フリースタイル監督】吉本収(神奈川大監督)、【同コーチ】木村元彦(専大コーチ)
【男子グレコローマン監督】馬渕賢司(中京学院大監督)、【同コーチ】藤山慎平(九州共立大コーチ)
【帯同審判】小池邦徳(奈良・天理教高学園高教)
【トレーナー】武末大藏(東芝病院)
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◎選手
【男子フリースタイル】
▼57kg級 中村倫也(専大)
▼61kg級 中田 陽(日体大)
▼65kg級=派遣なし
▼70kg級 多胡島伸佳(早大)
▼74kg級 奥井眞生(国士舘大)
▼86kg級 村山貴裕(大東文化大)
▼97㎏級 安田 翔(国士舘大)
▼125㎏級 藤田悠矢(中京学院大)
【男子グレコローマン】
▼59kg級 太田 忍(日体大)
▼66kg級 魚住彰吾(専大)
〃 森 俊樹(九州共立大)
▼71kg級 湯田敬太(拓大)
▼75kg級 花山尚生(福岡大)
▼80㎏級 塩川貫太(日体大)
▼85kg級 与那覇竜太(専大)
▼98kg級 志喜屋正明(国士舘大)
▼130kg級 津田大健(中京学院大)