※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
外国チームを迎え、2015年の全日本女子チームが活動を開始
スタートは大爆笑だった。栄和人強化委員長が最初に故郷の奄美大島弁とも思えない言葉で「ドルシャ、ベルシャ、コルシャシェシェ」とあいさつ。通訳の武田明子・日本協会事務局員が真面目な顔で「海外のチームの皆さん、ようこそいらっしゃいました」と訳すると、日本選手は爆笑の渦。外国選手は状況がまったくのみこめずにポカーン。
打ち合わせていた通りの筋書が演じられ、事情がのみこめた選手からは「本当に訳したみたい」「よく笑わずに訳せたわね」との声があがり、2人の名演技に大きな拍手。続けて「私は毛がないですが、最後までけがのないようにがんばってください」とあいさつ。これは打ち合わせていなかったことで、武田事務局員が訳に困っていると、「難しいからいいです」との思いやり。すると、笑いをこらえる選手もちらほら。
独特のリラックス法で選手の緊張をほぐしたあと、「外国から選手が来てくれ、日本にとってもいい練習ができる。しっかり練習してお互いの実力を高めてほしい」と、あらためて双方の選手を激励した。 合宿初日に参加の全選手
笹山秀雄コーチ(自衛隊)は「強くなってもらうために、今年もがんがんやる。皆さんも強くなるためについてきてほしい」と伝え、吉村祥子コーチ(エステティックTBC)は「いま来ている外国選手は、だれもがまじめでどん欲。コーチも練習の内容をしっかりメモし、日本のレスリングを吸収しようとする姿勢がすごい。それに負けないよう、私達も外国選手の特性を学び、実力をアップあせていきましょう」と激励した。
この日参加した世界チャンピオンは48kg級の登坂絵莉(至学館大)と53kg級の吉田沙保里(ALSOK)の2選手だが、登坂はテストのためこの日だけの参加。
全日程に参加する唯一の世界チャンピオンの吉田は、世界レスリング連盟(UWW)のイベントのため13~16日に2泊3日(帰途の機中泊を含めて3泊4日)の日程でスイスへ。その後も受賞式や結婚式出席などが続いて愛知の自宅に戻れず、約1週間ぶりのマットだった。さすがにこたえようで、息があがり、練習の途中に「気管支炎になって声が出ませ~~~ん」と“泣きが入る”一幕も。
「これから体力を取り戻して徐々にあげていきます。外国選手のいる合宿は、刺激があり、マンネリにならずにいいですね」と話し、最後は久しぶりの汗に気持ちよさそうだった。
合宿は24日まで行われる。
![]() 合宿に先立ち、外国選手の紹介 |
![]() マット以外の激務から解放されマットに戻った吉田沙保里(ALSOK) |
![]() エストニア選手と闘う鈴木博恵(クリナップ) |
![]() 練習の最後に日本協会から外国選手へアシックス製のバッグを贈呈 |