※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(12月23日、東京・代々木競技場第2体育館 / 文=増渕由気子、渋谷淳、三次敏之)
■男子グレコローマン59kg級・長谷川恒平(青山学院大職=アジア大会連覇の第1シードながら、準決勝で太田忍に敗れて3位)「限られた環境の中でベストを尽くしたけれど、力及ばなかった。今は自分だけが強くなればいいわけではなく、学生とともに歩むというスタンス。2015年はゼロからのスタートになる。オリンピックまでの長い道のりを知っているので、焦らずに自分の力をじっくり蓄えていきたい」
アジア大会王者(赤)を破った太田忍(日体大)だが、決勝で敗れる
■男子グレコローマン98kg級・前川勝利(早大=昨年の120kg王者。階級を落としての挑戦だったが3回戦敗退)「前には出ていたが、取り切れないところがあった。力負けとかではなく、技術面で取り切るところができていなかった。斎川(哲克)先輩と闘いたいなと思っていたけど、山本(雄資)先輩も強く、他にも強い選手がいるので、その選手たちを倒してからじゃないとならない。技術などが130kgの時と変わってくると思うので、そういう面でも練習して伸ばしていかないといけないなと思っている」
■男子グレコローマン98㎏級・米平安寛(宮崎県協会=決勝で斎川哲克に完敗)「斎川先輩には学生(日体大)の頃から練習をつけてもらっています。やりにくさとかはなかったです。試合に臨む前、脇を締めていこうと心がけていたのですが、もろ差しを取られてしまうところは、まだまだ試合の組み立てが甘いです。来年の全日本選抜選手権で優勝して、オリンピックを狙います」
■男子フリースタイル57㎏・高橋侑希(山梨学院大=世界選手権5位。決勝のラスト5秒に逆転負け)「苦戦続きで勝ち上がれましたけれども、決勝で負けてしまっては意味がない。勝ちを意識しすぎたのと、詰めの甘さが敗因です。(1回戦の相手の湯元進一は)オリンピック・メダリストだし、自分が中学生の頃に第一線で活躍されていた選手ですから緊張はしました。若い世代が育っているところを試合を通じて見せたかったので、勝てて良かったです。この階級はレベルが高いので、来年は上も見なければいけないし、下も見なければいけないと思っています」
■男子フリースタイル57kg級・湯元進一(自衛隊=ロンドン・オリンピック銅メダル後の初の全日本選手権は、高橋侑希相手に初戦敗退)「気合を入れて調整バッチリで、今の実力は全部出せました。行こうとしていましたが、相手が一枚上手だったと思います。自分がどの位置にいるのか今日で分かった。負けて言うのも変ですが、オリンピックに行くのは自分だと思っている。負け惜しみですけどね…。リオデジャネイロに出るのは当然なので、日本の伝統守るためにも金メダルしかないと思っています」
世界5位の高橋侑希を追い詰めた樋口黎(日体大)。警告3度を喫してしまった
■男子フリースタイル57kg級・中村倫也(専大=学生二冠王者。優勝した森下史崇に善戦)「全日本大学選手権で高橋(侑希)選手を超えた時、本気でリオデジャネイロを狙っていこうと思った(今大会の)結果がこれだったので、今は後悔しています。(試合内容は)自信になった部分もあったので、あと6ヶ月、しっかり修正して、苦手な左構え相手でも不安要素がないように練習していきたいです。(来年の目標は)全日本選抜選手権でしっかり優勝して、シニアの国際大会に出たことないので世界選手権でメダルを取って、さらなる飛躍をしていきたい。」
■男子フリースタイル74kg級・奥井眞生(国士舘大=1年生学生王者も初戦で世界選手権70kg級代表に敗退)「自分がリードしていながら攻める姿勢が出なかったのが敗因。守って最後に攻めようと思っていたが、先に攻められてしまった。和田(貴広)監督がいつも言っている『リードしてからでも、ラスト何秒でも、攻める姿勢を大事にしろ』と言うことができなかった。大学生活始まってから一番悔しいです。これをばねにもっと頑張ります」
■男子フリースタイル74㎏級・嶋田大育(国士舘大=決勝で高谷惣亮に逆転負け)「(序盤のローリングで)腕を決めた段階でテクニカルフォールまでもっていかないとならないんですよね。優勝するためには、ワンチャンスはものにしないといけない。優勝するチャンスは腕を決めた時点だった。勝負をつけられなかったこの負けは、本当に悔しい。あまりよくなかった年なので、来年はよくしたい。大学を卒業したら和歌山県で高校の教員になる予定。今までとは練習環境が変わってしまいますが、オリンピックを目指します」
■女子53㎏級・向田真優(JOCエリートアカデミー/東京・安部学院高=準決勝で世界選手権55㎏級優勝の浜田千穂に敗退)「自分のレスリングができなかったのが悔しいです。しっかりタックルも切って、自分のペースで試合を運べるように、しっかり練習します。今大会前の目標は、自分にとって壁となるべき(吉田)沙保里さんと闘うため決勝に上がることだったのですが、それもかなわず悔しい。練習を積んで、来年につなげたいと思います」
最後まで勝利の執念を捨てなかった渡利璃穏(アイシン・エィ・ダブリュ)。6-6の内容差で惜敗
■女子53kg級・浜田千穂(日体大=55kg級世界チャンピオン。階級を落として吉田に挑戦するも2位)「吉田さんに勝つために練習してきたのですが、1ヶ月前に左ひざをけがしてしまって全然練習ができず、棄権を考える状態だった。スパーリングもできずに、体重だけ落としてぶっつけ本番でした。負けたのは練習不足です。試合前に心が折れてしまった時があったけど、周囲の人が支えてくれてマットに上がることができた。みんなに感謝したい。応援してくれたのに、あのような試合をして申し訳ない。全日本選抜選手権は絶対に勝ちます」
■女子63kg級・村田夏南子(日大=63kg級への挑戦も、準決勝で伊藤友莉香に敗れて3位に)「悔しいです。(クラスを上げて)パワーというより重さを感じた。今自分はこの位置にいるんだということが分かった。もっと体から作り直して、練習もしっかりしていきたい。来年が本番だと思うので、全日本選抜選手権では勝ちたいです」