2014.12.23

【全日本選手権第2日・特集】健闘選手の声

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(12月22日、東京・代々木競技場第2体育館/文=増渕由気子、渋谷淳)


 ■男子フリースタイル65kg級・藤波勇飛(高校生ながら元世界5位の前田翔吾に一時リードを奪う)「明治杯(全日本選抜選手権)もそうでしたが、勝てそうで勝てないので、しっかり勝ち切れるようにしたい。世界5位の前田さんに1回逆転したときがありましたが、前田さんの得点能力は群を抜いているので、もう少し点を取らないといけないです。これから一番強化していきたいのは力の部分です。重要になってくると思いますので。高校の年間最優秀選手に選ばれたことについて、(高校5冠王の山本)泰輝が獲るものだと思っていた。中学に続いて高校でももらえたことは自信になりました」


 ■男子フリースタイル65kg級・田中幸太郎(阪神酒販=全日本選手権初の決勝進出も惜敗)「ラスト30秒の勝負になると思っていた。最後、足を触れたのはよかったけど、プレッシャーの強さでは押し負けていたので、今後はもうちょっと前にアタックできるようにしたい。(同じ早大出身でお互い手の内わかっているので)今の時点では戦略的にラスト30秒の勝負になってしまうと思った。全日本2位に入り、(ナショナルチームの遠征に召集される可能性が強くなったが)あるチャンスはつかみにいきたいとおもいます」


 ■男子フリースタイル65kg・井上貴尋(三恵海運=昨年の世界選手権66kg級代表。3回戦で優勝した石田智嗣に5-6で惜敗)「4点取られたのが一番痛かった。2点に抑えておけば変わっていたかもしれない。ちょっとしたことの差ですね。ただ、攻めればこれだけ取れると分かったので、次からはどんなに失敗しても、攻めていきます。今回優勝して次を闘いたかったけど、なかなか全日本では勝たしてもらえない。次は(来年6月の)全日本選抜選手権しかないので、それに向けて年明けからレベルアップして、行けるとこまで頑張りたい」


 ■男子フリースタイル65kg・前田翔吾(クリナップ=昨年の世界選手権代表で、負傷からの復帰したものの3位)「(感想は)特にないです。(復帰について)勝たないことには復帰も何もないと思っているので、復帰したとは言えないです。(体の調子は)まだできないこともありますが、今日が本番なので(調子が)100%とか何%とか関係なしにしてきたつもりです。100%の気持ちでやってこの結果なので、また次に切り替えるしかないです。(田中選手との対戦については)最後に負けていると思ったので行くしかないなと思っていた。後で聞いたら勝っていたと言われて、自分の確認不足です」


 ■男子フリースタイル97kg・山本康稀(日大=学生二冠王者で第1シードながら初戦で山口剛に完敗)「自分のレスリングができなかった。相手に合わせて行ったことと、自分から崩そうとしなかったところにタックルされた。もうちょっといい勝負できると思っていた。最初の4失点も前(去年の全日本選手権決勝)にされたのと同じ。来ると分かっていてもくらってしまった。来年は明治杯で(優勝とプレーオフの)2回勝って世界選手権代表になること。試合までの6ヶ月間、しっかり練習していきたいと思います。山口選手にリベンジできるように練習をします」


 ■女子48kg級・入江ゆき(九州共立大=準決勝で宮原優に敗れ、3位決定戦に勝つ)「タックルに入る練習をたくさんしていたけど、取り切れなかった。練習が足りないからこういう結果になったと思う。卒業後は自衛隊にお世話になるので、もっと努力したい」


 ■女子48kg級・宮原優(東洋大=決勝で登坂絵莉に惜しくも敗れる)「前回の対戦(6月の全日本選抜大会)では自分のレスリングができずに負けたので、今日は勝ち負けにこだわらず、ポイントを失うことを恐れず、全力を出し切ることだけ考えました。初心に帰れたし、試合が終わって後悔はない。来年6月は絵莉さんにリベンジしたい」


 ■女子69kg級・井上佳子(クリナップ=昨年11月の海外遠征で前十字靭帯を断裂するなどして久々の実戦。準決勝で土性沙羅に敗れ、3位決定戦で古市雅子を下す)「本格的な練習は10月から再開しました。ひざはまだ完ぺきではありませんが、それは理由にはなりません。来年はけがを悪化させないようにして、6月の全日本選抜選手権でしっかり勝てるようにしたいです」