※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
春季2位から順位を上げ、優勝した大山博貴(明大)
序盤、片脚タックルからアンクルホールドを5連続回転。いずれも1点だったのでスコアは7-0。テクニカルフォールにはならなかったが、このあと攻め急ぐことなく慎重に闘い、9-2の勝利。大山は「春の2位がこれまでの最高の成績。優勝はうれしいです。いつもテクニカルフォール勝ちを意識するあまり、ばててしまい、攻めてつぶされたりしていたので、今回は点差を守りにいったことがよかった」と振り返る。圧勝の優勝ではなく、手堅く結果を求めたようだ。
事実、春季の決勝は最初に投げで4点を取り、さらに点差を広げながら、その後の攻撃がうまくいかず2位に終わっていた。攻撃することは大事だが、やみくもな攻撃では意味がない。落ち着いて闘えるようになったことが優勝につながった。
宮城・仙台育英高校時代は、インターハイでベスト8の選手。「大学で一番になりたい」とレスリングを続けることを決め、進んだのが明大。文武両道というイメージと、「個性的な選手が多いように感じた」というのがその理由で、「荒削りな自分を直してくれるには一番の大学だと思った」と言う。 決勝で爆発した必殺のアンクルホールド
今年の全日本学生選手権は、2位になった選手に負けてベスト8だった。来年は最低でも3位以内を目指したい。この日見せたアンクルホールドには自信があるので、「タックルをしっかり練習し、がぶりからの攻撃もしっかり身につけたい。タックルができるようになれば、アンクルホールドがもっと生きてきます」と、スタンドの攻撃力アップが課題だ。
この優勝で来月の全日本選手権への出場権を獲得したので、来年を待たずに大舞台に挑戦するつもりだ。「全日本の舞台で闘うのは、まだ早いと思いますが、思い切ってやってみたい」と気合を入れた。
明大からは70kg級の寺田靖也も決勝へ残り、優勝はならなかったが序盤リードするなど善戦している。日本で2番目に長い歴史を持つ明大の攻勢が始まるか。