※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫) 優勝後、新しいパフォーマンスを披露した高谷大地(拓大)
高谷は「絶対に取ってやる、という気持ではなく、練習通りにやることを心がけた。勝ちにこだわって自分のレスリングができなくならないように意識した」と、結果より内容を重視して臨んだ大会だったことを強調。1回戦から自分の目指すレスリングができて勢いに乗れ、決勝は多少もたつきながらも、「最後は思い切ったレスリングができた」と話した。満足のいく優勝だったようだ。
決勝は第2ピリオド前半まで接戦だったが、「自分のレスリングは、取って、取られて、というレスリング。取られても取りかえせばいいと思っているので、同点にされても焦りもなかった」と、周囲が思うほど“接戦”とは感じてなかったようだ。
ただ、世界選手権7位の選手として、「どの選手も思い切ってくると思った」と、これまでにない感覚はあったもよう。それでもプレッシャーとなるほどではなく、「こちらも一人の学生選手として思い切りやるだけ。(世界7位の)肩書は気にならなかった」と言う。 決勝で闘う高谷
本来なら第一関門となるべく学生タイトルの獲得は、今後のさらなる起爆剤になりそう。「レスリングのスタイルだけではなく、食事などの生活面でもいろいろと変えて臨んだ大会でした。それで優勝できたということで、生活面での改善がいい方向につながることを感じました」とのこと。マット上だけでなく、生活のすべてをいい方向へ持っていき、全日本選手権に臨みたいという。