※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
韓国へ向けて出発した男子グレコローマンチーム
二番手で臨んだ世界選手権でもある程度の成績を残しただけに、西口茂樹・男子グレコローマン強化委員長(拓大教)は「(一番手で臨む)今回は勝たないといけない。金メダルを持ち帰って来る」と金メダル獲得宣言。59kg級の長谷川恒平(青山学院大職)、66kg級の松本隆太郎(群馬ヤクルト販売)、98kg級の斎川哲克(栃木・足利工高教)のロンドン・オリンピック代表の3選手を中心として必勝を期した。
世界選手権の期間中、代表選手は日体大の練習に参加し、豊田雅俊コーチ(警視庁)と飯室雅規コーチ(自衛隊)の指導のもとで鍛えた。世界選手権後の東京・味の素トレーニングセンターでの練習では、試合を終えたばかりの世界選手権代表選手も参加し、アジア大会代表の練習をアシストしてくれる中で練習した。
世界選手権の疲れも見せずに練習に参加してくれる選手の行動は、代表選手の気持ちを奮い立たせてくれる。西口委員長は「チームジャパンとしての一体感は大きなエネルギー。世界選手権代表の健闘によって、オレたちも闘えるという気持ちになってくれているのも大きい」と、敵味方の関係を超越し一丸となって世界に挑む姿勢を評価した。 西口茂樹委員長(背中)と代表選手
ロンドン・オリンピック55kg級の覇者であり、今年の世界王者のハミド・スーリヤン(イラン)は不参加だが、「だれが相手ということではなく、自分のレスリングをやるだけ」と気にはしていない。「勝たないと注目されない競技。勝つことで日本の男子グレコローマンをアピールしたい」と話した。
2010年大会の銅メダルのリベンジ戦に挑む66kg級の松本は、ロンドン・オリンピックのあと、初めての国際大会となる。しかも66kg級での国際大会も初。キャリア十分なだけに「試合をしていない不安はない」そうだが、66kg級としては初めてということで「自分が一番下。挑戦者なんだから、全力を出して闘いたい」と言う。
前回大会で負けたロンドン・オリンピック王者のオミド・ノルージ(イラン)は負傷のため棄権しそうだが、「出る選手はだれもが強い。だれが出ても格上。臆することなく挑みます」と話し、挑戦者の気持ちを強調した。