2014.09.26

【全日本大学グレコローマン選手権・特集】「内容をもっとよくしたい」…75kg級・阪部創(神奈川大)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

■阪部創の2014年全日本大学グレコローマン選手権成績
決  勝 ○[2-1]永井凌太(拓大)
準決勝 ○[4-0]渡部広章(日体大9
3回戦  ○[フォール、1:11=4-0]椿和浩(九州共立大)
2回戦  ○[Tフォール、1:07=8-0]古川恭円(徳山大)
1回戦  ○[Tフォール、1:51=8-0]滝沢廉太郎(中大)

(撮影=矢吹建夫)

 全日本大学グレコローマン選手権の初日、8月の全日本学生選手権(インカレ)に続く優勝を唯一飾ったのが75kg級の阪部創(神奈川大)。昨年に続く2連覇とともに、下馬評通りの強さを見せた。

 阪部は「インカレを取ったので、この大会も優勝しなければならないと思っていた。実現できて、よかったです」と二冠制覇の感想を話し、「グラウンドになった時、ローリングやリフトでず返すことが目標だった。まあまあできたかな、と思いますと、内容にも及第点をつけた。

 ただ、インカレでは不戦勝を除く4試合のうち3試合を第1ピリオド、無失点のテクニカルフォール勝ちで、残る1試合を6-0という快勝だった。今回は渡部広章(日体大)との準決勝が4-0、永井凌太(拓大)との決勝が2-1と、少なくとも準決勝と決勝は“遠慮”してしまった結果だった。

 「慎重になりすぎたかもしれない。決勝は相手の流れに乗せられてしまった」。研究もされただろうし、チャンピオンになったがゆえの壁かもしれない。「内容をもっとよくしたい」と、どん欲なところを見せた。

 7月下旬から8月前半にかけて全日本チームの遠征に帯同してロシアへ遠征。インカレを経て、9月に入ると2020年ターゲット選手の海外合宿で世界選手権が行われたウズベキスタンへ。試合こそ出なかったものの、この夏は多くの外国選手と練習を積んだ。

 「ロシアはグラウンドのテクニックがすごく多く、攻撃とデフェンスを学びました。ウズベキスタンでは、この舞台で試合をやってみたい、という気持ちを強くしました」と、技術、精神の両面で多くの収穫を得た。ウズベキスタンでは外国選手をつかまえて打ち込みをお願いすることも多かった。「強い選手はプレッシャーをかけてきて、グラウンドも強い」という感想を持った一方、「計量前だったので本気になってくれなかった」と物足りなさも感じたようだ。こうした気持ちになることは、向上心の表れにほかなるまい。

 「今年の夏は成長したな、と感じます」という阪部の今年の目標は、12月の全日本選手権での優勝。その前には長崎国体がある。世界選手権5位の清水博之(自衛隊)やアジア大会代表の金久保武大(ALSOK)はエントリーしていないこともあり、「絶対に優勝したい」ときっぱり。「国体で弾みをつけ、全日本選手権では清水さん、金久保さんに勝ちたい」と、上を見つめていた。