2014.09.14

男子フリースタイルのアジア大会代表選手が合宿スタート

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(文・撮影=増渕由気子)

 アジア大会(9月27日~10月1日、韓国・仁川)に向けて、男子フリースタイルの全日本チームが9月13日、東京・味の素トレーニングセンターで合宿をスタート。57kg級の森下史崇(ぼてぢゅう&Bum'S)ら7階級の代表選手が全員参加した。

 世界選手権の男子フリースタイル・チームは11日に帰国。和田貴広・男子フリースタイル強化委員長(国士舘大教)らコーチ陣は休む間もなくアジア大会に向けて再スタートを切った。

 和田強化委員長は、アジア大会メンバーに世界選手権の様子を報告。「(多くの選手が)本番では気持ちで試合に向かっていった。反則ギリギリの攻撃もあり、きれいなレスリングはなく、みんな1点にこだわっていた。この合宿では、もう1回、勝つ気持ちを忘れずにやってほしい」と選手を激励した。

 今回の世界選手権では74kg級の高谷惣亮(ALSOK)が銀メダルを獲得。70kg級代での世界でのメダルとなると、1996年アトランタ・オリンピックの太田拓弥(早大コーチ)以来の快挙だった。

 その高谷が世界選手権選手団の解散時に話した「世界に壁はない」というメッセージも、和田強化委員長からアジア大会代表に伝えられた。「あの階級(74kg級)が日本人選手でも十分通用したということが、周りの選手にも刺激になればいいなと思っている」と、アジア大会組への相乗効果を期待していた。

 合宿初日は、「今回がアジア大会に向けての最後の合宿なので、集中した短時間で力を出し切る練習を目的としている」と、入念なウォーミングアップと、各シチュエーションでの技の確認などを行ってからスパーリングを行った。

 厳しい闘いを強いられた世界選手権だったが、アジア大会はそれ以上の強豪が待ち構えることが予想されている。アジアの強豪国である北朝鮮、韓国、インドなどが世界選手権に2番手選手を派遣し、アジア大会には1番手を派遣する見込みが強いからだ。

 和田強化委員長は「世界選手権以上に厳しい闘いになる。しっかりと準備して、本番で全部をぶつけられるようにしたい」と話した。

6面マットを使ってのスパーリング

石田智嗣に技術指導する松永共広コーチ