※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
■鈴木博恵の2014年世界選手権成績 敗復戦 ●[Tフォール、3:59=0-11]Zhou Qian(中国) 3回戦 ●[1-2]Adeline Maria Gray(米国) 2回戦 ○[7-0]Maria Selmaier(ドイツ) 1回戦 ○[3-1]Vasilisa Marzaliuk(ベラルーシ) |
(撮影=保高幸子) 昨年の9位から7位に順位を上げた鈴木博恵(クリナップ)
鈴木 1回戦から接戦になってしまいました。ヨーロッパ2位の強い選手ということは分かっていて、ゴールデンGP決勝大会でも勝っていたので、絶対に勝つという気持ちで臨みました。最後にポイントを取れ、勝ててよかったです。アメリカ戦では、私自身はポイントが入ったと思っても、入っていないという審判の判断のシーンが2ヶ所ありました。きちっとテークダウンできていれば勝てたと思う。そのアメリカが決勝に行ってしまった。詰めが甘かった。
――アメリカ戦の最後のチャレンジ(ビデオチェック要求)のシーンは、自分では絶対に入っていたと思いますか?
鈴木 そうですね。バックを取って2点が入ったと思いました。そうでなくも、相手が場外に出たと思いました。チャレンジは失敗して、残り時間がなく(23秒)、ちょっと焦ってしまいました。ああいうところを、審判にも分かりやすくしっかりポイントを取っていれば勝てたと思います。あと、30秒ルールを取られている時に私がタックルに入って、これもポイントかな、と思いました。動きがある時は30秒経っても継続と聞いていたのですが、止まってしまったからポイントが入らなかったみたいです。
――過去2大会に比べて自信を持って臨んだようですが、7位という結果はいかがでしょうか。
鈴木 気持ちの面で余裕はありました。闘ったことのある選手もいる組み合わせでしたし、いつもよりは強気で臨めたと思います。
――結果がついてこなかっただけ、と。
鈴木 細かいところをもう少し修正していけば勝てると思います。
――敗者復活戦については、いかがですか?
鈴木 次は絶対に負けられない、という気持ちでしたが、負けたことのないアメリカ選手に負けてしまい、しかも攻めてもポイントにならない、チャレンジは失敗するという内容だったので、気持ちが落ち込んでしまったのは確かです。みんなに「切り替えろ」と言われましたが、そのままの気持ちが出てしまいました。ただ、あの中国選手も強かったです。
――力があったように見えましたが。
鈴木 そうですね。タックルが早く、取ったあとのグラウンドの攻撃も素早く、次から次という展開だったので、スピードに対応できなかったかな、と思います。
――初出場の時から一歩、一歩上がっているとは思いますが、次に向けての気持ちは?
鈴木 来年はオリンピックの予選で、トップとあまり差はないことが分かったので、細かい技術の修正をして、こつこつ頑張るしかないと思います。
――ブラジルが決勝に行きましたが、4月に日本に来ていた選手ですよね。練習で感じた力関係は?
鈴木 ふだん80kgくらいある選手で、力もあります。でも、五分と言えるスパーリングができていて、ニューヨークでの大会(昨年11月)でぎりぎり勝った相手です。トップレベルと差はないと思いますが、あと少し、何かが足りないのだと思います。