2014.09.12

吉田沙保里(ALSOK)が15度目の世界一、伊調馨(ALSOK)はV12…世界選手権第4日

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 【タシュケント(ウズベキスタン)、撮影=保高幸子】世界選手権第4日は9月11日、ウズベキスタン・タシュケントで女子3階級が行われ、53kg級の吉田沙保里と58kg級の伊調馨(ともにALSOK)が優勝した。

 吉田は12大会連続優勝で、3度のオリンピックと合わせて15度目の世界一となり、自らの最多優勝記録を更新。個人戦で国内外通算50大会連続優勝。個人戦の連勝は「184」となった。伊調は2年連続9大会目の優勝。3度のオリンピックと合わせて12回目の世界一に輝いた。

 吉田は初戦の2回戦で中国の若手選手、2回戦で世界ジュニア選手権51kg級優勝のナタリア・マリシェワ(ロシア)、準決勝でカナダカップ55kg級優勝のジリアン・ギャレイズ(カナダ)にフォールかテクニカルフォールで快勝。決勝は昨年の55kg級決勝と同じ顔合わせとなり、ソフィア・マットソン(スウェーデン)に6-0で勝利。4試合を無失点という内容での優勝。

 伊調は初戦の2回戦で地元のウズベキスタン選手を破り、3回戦でゴールデンGP決勝大会2位のアリソン・パガン(米国)、準決勝で昨年の欧州選手権59kg級優勝のアナスタシア・フチョク(ベラルーシ)に勝利。吉田と同じく3試合をフォール、またはテクニカルフォールで決勝に進み、欧州選手権優勝のバレリア・コブロワ(ロシア)との一戦でも10-0でテクニカルフォール勝ちした。

 75kg級の鈴木博恵(クリナップ)は、1回戦で欧州選手権2位のバシリサ・マリザリウク(ベラルーシ)を破ったものの、2回戦で昨年72kg級3位のアデライン・グレイ(米国)に惜敗。敗者復活戦へ回ったものの、チョウ・シアン(中国)に敗れ、7位に終わった。

 各選手の成績は下記の通り。


 ◎女子

 【53kg級】吉田沙保里(ALSOK)    優勝=28選手出場

決 勝 ○[6-0]Sofia Magdalena Mattsson(スウェーデン)
 《試合経過》第1ピリオドの1分すぎ、吉田は片足タックルで相手を場外に出して1点。このあと慎重になったが、第2ピリオドの4分すぎに右足への片足タックルを背中から落として4点獲得。相手陣営のチャレンジ失敗で6-0。このままのスコアで振り切り切った。

準決勝 ○[フォール、0:49=5-0]Jillian Alice Gallays(カナダ)
 《試合経過》吉田は開始早々にタックルを決め、そのままフォールした。

3回戦 ○[Tフォール、5:17=10-0]Natalia Malysheva(ロシア)
 《試合経過》吉田は第1ピリオド、タックルを2度決めて4-0。第2ピリオドも2度タックルを決め、ニアフォールを奪って10-0とした。

2回戦 ○[フォール、2:41=4-0]Pang Qianyu(中国)
 《試合経過》第1ピリオド、相手に“30秒ルール”を課した吉田は、突進してくる相手をかわしてバックを取り、そのままフォールへ持ち込んだ。

1回戦  BYE


 【58kg級】伊調馨(ALSOK)    優勝=23選手出場

決  勝 ○[Tフォール、5:49=10-0]Valeria Koblova(ロシア)
 《試合経過》伊調が第1ピリオドの1分と1分30秒にテークダウンを奪い、終了間際にも片足タックルから足払いで倒して6-0。第2ピリオドもがぶりからバックを回ることを2度成功し、10-0とした。

準決勝 ○[Tフォール、2:15=11-0]Anastasiya Huchok(ベラルーシ)
 《試合経過》伊調は第1ピリオド15秒、片足タックルでテークダウンを奪い、またさきで2点を加えた。さらにタックルからレッグホールドの繰り返しで2、1、2点と取り、11-0とした。

3回戦 ○[Tフォール、2:59=10-0]Allison Mackenzie Ragan(米国)
 《試合経過》第1ピリオド、相手のタックルを回り込んで2点を取った伊調は、中盤までにタックルを2度決め、終盤も2度のテークダウンを 

2回戦 ○[フォール、2:21=10-0]Asem Seydametova(ウズベキスタン)
 《試合経過》伊調は第1ピリオドの開始早々にタックルを決め、一気にフォールを狙ったが逃げられる。1分30秒にタックルを決め、トルコ刈り、さらにアンクルホールドでポイントを重ね、最後はフォール。

1回戦  BYE


 【75kg級】鈴木博恵(クリナップ)    7位=19選手出場

敗復戦 ●[Tフォール、3:59=0-11]Zhou Qian(中国)
 《試合経過》第1ピリオドの開始早々にタックルでテークダウンされた鈴木は、ローリングを受けて0-4。さらにタックルと2度のローリングを受けて0-9。第2ピリオド、回り込まれて2点を失った。

3回戦 ●[1-2]Adeline Maria Gray(米国)
 《試合経過》第1~2ピリオド、お互いに“30秒ルール”によって1-1。ラストポイントは米国。鈴木は終盤、タックルで攻めたが場外際でブレーク。日本陣営の外に出たというチャレンジは失敗し1-2。残り23秒で逆転はならなかった。

2回戦 ○[7-0]Maria Selmaier(ドイツ)
 《試合経過》第1ピリオド、鈴木は片足タックルから場外へ出して1点。第2ピリオド、タックルや回り込むなどして2点を3度取った。

1回戦 ○[3-1]Vasilisa Marzaliuk(ベラルーシ)
 《試合経過》鈴木は第1ピリオド、相手を場外に出して1-0。第2ピリオド、場外へ出されて1-1となったものの、中盤、がぶりからバックへ回って3-1とした。