2014.08.16

ブラジル調査の高田裕司専務理事、栄和人強化委員長らが帰国

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 ブラジル・リオデジャネイロを視察していた日本オリンピック委員会(JOC)のリオデジャネイロ対策プロジェクトチームが8月15日、成田空港着の日本航空と全日空で帰国。委員長として参加し、26競技団体からの約80人をまとめた本協会の高田裕司専務理事は「気候も良く、選手村の工事も順調にいっていると思う」と評価する一方、現地の領事館などからのアドバイスで一度も市内を出歩かなかったそうで、安全対策の必要性を指摘した。

 チームは欧州(ドイツ・フランクフルト)回りと米国(ニューヨーク)回りの2手に分かれて現地入り。高田専務理事や栄和人強化委員長らレスリング陣は欧州回りのルートだったが、約30時間という移動は、「それほど苦にならなかった」と言う。

 レスリング会場から1kmほどの海の見える場所に支援役員団の宿舎に適したリゾートマンションがあり、「最高の立地。支援役員や練習パートナー、選手の家族などの宿舎に最適」と、JOCとして確保し、各競技団体に割り振りたい意向を示した。

 栄委員長は「日本の秋くらいの気候で、冷房が入ると寒いくらい。試合をするには、暑すぎず、寒すぎず、ちょうどいい気候だと思う」と、リオデジャネイロの冬を説明。会場はまだできていなかったが、レスリング会場、選手村、前述の支援役員宿舎予定のマンションなどが2km圏内あり、移動時間に時間が割かれることはなさそう。

 地球を半周する移動に関しては、「フランクフルトで4時間の休けいもあったし、乗り物に弱い私が、たいしたことはない、と感じました」と話し、言われているほどの疲れはなかったそうだ。今年のサッカーのワールドカップ・チームがやったように、いったん米国に滞在してからブラジルに渡るようなことをする必要はなく、「一気にリオデジャネイロへ行って、現地で疲れをとって、時差ぼけを治す方がいいと思う」と言う。

 JOCが事前合宿地として選んだサンパウロ州プライアグランデも視察した。マットやサウナなどレスリングの事前練習ができる環境かどうか、引き続き調査したいという。

 11月下旬にはリオデジャネイロで「ブラジル・カップ」が予定されており、ブラジル協会から招待されている。全日本選手権前で難しい時期だが、同委員長は何選手かを参加させ、移動時間や時差などを体験してもらいたい意向。

(下の現地写真は高橋正仁事務局員提供)


《視察スケジュール》

※日付はすべて現地

【8月9日(土)】 成田空港発

【8月10日(日)】 リオ・デ・ジャネイロ到着、市全景調査、総領事館からの安全管理説明、競技団体独自調査

【8月11日(月)】 選手村調査、オリンピック組織委員会プレゼン、レスリング会場予定地調査

【8月12日(火)】 支援役員宿舎調査、事前合宿候補地(サンパウロ州プライアグランデ市)へ移動

【8月13日(水)】 事前合宿候補地調査、サンパウロ空港発

【8月14日(木)】 フランクフルト乗り換え

【8月15日(金)】 成田空港着

レスリング会場をバックに。左から高橋、高田、中島耕平スポーツ医科学委員長、栄

八面六臂(ぴ)の大活躍だった高田裕司専務理事