※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
世界ジュニア選手権(クロアチア・ザグレブ)で銅メダル1個を取った男子フリースタイル・チームが8月12日、成田空港着のオーストリア航空で帰国した。
国別対抗得点は14点をマークしての10位で、前年の「メダルなし、国別対抗得点12位(12点)」からわずかに前進させたが、原喜彦監督(新潟・県央工高教)は「高谷(大地=66kg級3位)は優勝できたし、中田(陽=12位)は3位に、浅井(翼=74kg級)、平川(耶磨人=8位)も最低でも3位決定戦まではいける実力を持っていると感じた。そこまで勝たせることができなかったのは、スタッフがモチベーションを高めさせることができなかったからだ」と反省の弁。 銅メダル獲得の高谷大地(拓大)
イラン、ロシア、アメリカ、アゼルバイジャンが抜けているが、他の国は「今の日本の実力なら十分に勝てる」ときっぱり。
男子両スタイルで唯一のメダルを取った高谷は、初戦で昨年の世界カデット王者でシニアの国際大会でも結果を出している米国選手に敗れたあと、敗者復活戦を勝ち抜いて銅メダルを取った。これまでにも、1回戦で強い選手が相手だと「出足をくじかれるというか、自分の持ち味を出せないことがあった、今回もそれが出てしまった」そうで、そうでない状況で闘えば、決して負ける相手ではなかったと感じた様子。
国内の大会はシード制が採用されているので、減量明けの初戦で強豪と激突する機会がなく、そうした影響もあるのかもしれない。その問いに明確な答えはなかったが、「日本選手とやるのと外国選手とやるのとは違う。日本選手相手に闘うようなことが通用せず、ふだんやっていることができなかった。相手に負けたというより、自分に負けた、自分をコントロールできなかった」と言う。
負けたあとは思った以上に落ち込むことなく、「(相手が決勝まで行ってくれ)敗者復活戦に残れると思った。次は違うパターンで闘ってみようといった感じだった」とのこと。2回戦、3回戦と自分のレスリングができて、最後にテクニカルフォールで勝って銅メダル獲得。
「最後が納得できる試合だったので、次の闘いのためになったと思う。(次の闘いの)世界選手権は『自信をもって勝ちます』とまでは言えないけど、今回失敗したことを繰り返さないようにし、最初から自分をコントロールしたい。それができない時は、兄(惣亮=74kg級)が助けてくれると思うので心強い」と話し、日本男子ではまだ達成した選手がいない同じ年のジュニア・シニアのWメダル獲得へ向けて燃えていた。