※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文=増渕由気子、撮影=保高幸子) 初優勝とMVPを手にした藤波勇飛
優勝した瞬間、「かっこよくクールに決めたかった」と、特にガッツポーズなど派手な喜びを表さなかったが、内心は別。「インターハイでは負けてばかりで、やっと、やっと勝てました。ホッとしています。全国高校選抜大会とは全然うれしさが違います」と優勝をかみしめた。
全国中学選手権大会で男子史上4人目となる3連覇を達成し、高校でもどれだけのタイトルを獲るか注目されていた。だが、全国高校選抜大会では2連覇したが、インターハイでは勝ち切れず、昨年までの2度の大会で優勝できなかった。 決勝で闘う藤波勇飛
2020年東京オリンピック招致が決まり、藤波はターゲット選手に選出された。高校生ながらナショナルチームの全日本合宿に参加し、ワンランク上の技を磨いてきた。藤波自身は「全日本合宿に参加して、意識が高くなった」と成長を感じている。
これで念願の高校三冠王に王手をかけた。「正直なところ、2年生で達成できると思っていました。このチャンス、絶対に逃しません」と、10月の長崎国体でも完全優勝を誓った。