※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
団体優勝の女子チーム。左端が吉村祥子監督(左端)
吉村祥子監督(エステティクTBC)は、今回のチームは五十嵐未帆主将(愛知・至学館高)を中心に「何が何でも団体優勝という気持ちが前面に出ていて、非常に意識が高かった」と評価。その気持ちが崩れることなく試合に臨めたことが好成績につながったと分析した。
優勝した選手に共通して見られたことは「フェイントやフットワークなど足を使って闘っていた」こと。逆に、タックルに入って引きつけて力で取ろうとした選手は、外国選手のパワーに不覚を喫したり、苦戦したりしたという。 成田空港での解団式
3月のクリッパン女子国際大会(スウェーデン)に続く帯同となった洞口幸太コーチ(岐阜・マイスポーツハウス)は「優勝した選手は、相手を正面で受けることなく、左右に動いたり、崩したりフェイントで攻撃していた。優勝できなかった選手は、相手を正面から受けてしまっていた」と、表現こそ違うが吉村監督と同様の指摘。
自身も2度目の女子の国際大会の帯同で、「(3月に)外国選手の闘いを知った分、前回よりいいアドバイスができたと思う。また帯同する機会があれば、今回以上の指導をしたい」と、コーチとしての飛躍も誓っていた。
■38kg級優勝・田口あい(岐阜・マイスポーツハウス)「今回、初めての世界選手権で、自分の力を出し切れて優勝でき、うれしいです。その中でも、無理に入るのではまく、崩してタイミングを見て入ることがもっとできればよかったと思います。1回戦の2失点は、攻めて返されての失点。技を受けてポイントを失ったわけでないので、いいとは思いますが、今後は攻める中での失点をなくしていきたい。(2度のアジア・カデット選手権とクリッパン女子国際大会に続き国際大会4大会連続優勝で)自信になりましたが、国内でしっかり勝てるようにしたい」
■40kg級優勝・田南部夢叶(JOCエリートアカデミー)「初めての世界選手権に出られ、優勝できてとてもうれしいです。左脚を取られすぎた反省があり、決勝もタックルで取られてしまいました。でも、そのあといつも練習しているタックルを使うことができ、いい試合ができたと思っています。脚をさわらせてしまうことを克服していきたい。今年は秋の全国中学生選抜選手権でしっかり優勝し、来年の世界カデット選手権でも勝ちたい」 優勝選手・左から五十嵐、加賀田、田口、田南部、須崎
■46kg級優勝・五十嵐未帆(愛知・至学館高)「ホッとしています。(決勝だけが9-1の判定勝ち)相手の体が大きくて、ちょっとびびってしまいました。タックルに入ってもかわされるのではないか、という気持ちがあって攻撃できませんでした。返されて1点取られてしまい、勝ったとはいえ悔しかったです。去年は3位だったので、今年は絶対に優勝が目標でした。去年は(初出場の)緊張もあり、自分の動きがまったくできなかった。今年は、そんなことはまったくなかった。すぐインターハイがあるので、優勝目指して頑張ります」
■49kg級優勝・加賀田葵夏(東京・文化学園大杉並高)「3連覇できてうれしいです。(失点について)初戦は、技が決まり切っていないのにあわてて仕掛けたことが原因かな、と思います。決勝は、相手の勢いにびっくりして、押しこまれて取られたポイントです。反省点です。(大会前、国際レスリング連盟のホームページで3連覇のことが取り上げられるなど注目されていたが)試合が終わってから見て、写真を使われているんだな、とか知りましたので、プレッシャーにはならなかたです。でも、世界選手権の場というのは緊張はしますね。すぐにインターハイがあるので、今回の課題に取り組み優勝したい」