2014.05.08

男子両スタイルの全日本チームが合宿スタート

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 男子両スタイルの全日本チームが5月7日、東京・味の素トレーニングセンターで合宿をスタートした。今年は各スタイルことに決めた目的に向けて練習するため、スタイルごとに合宿をやってきた。2月のNTS中央研修会を別にすれば、今年初の両スタイルの合同合宿となる。

 1スタイルでの合宿に比べれば参加選手が多くなり、1人あたりの“練習スペース”は狭くなるが、グレコローマンの西口茂樹・強化委員長(拓大教)、フリースタイルの和田貴広・強化委員長(国士舘大)とも、時にはお互いに刺激し合う両スタイルの合同合宿が必要とし、日本代表として一丸となることを望んだ。

 西口委員長は、先月のアジア選手権(カザフスタン)で59kg級の太田忍(日体大)が世界王者を破り、98kg級の大坂昂(三菱電機)がイランを破るなどしての「銀3」を評価する一方、「フリー、グレコとも金メダルがなかったことを忘れてはならない」と厳しく振り返った。

 全体として、自分の力を出し切れていないそうで、「返し技が怖いから技をかけられない、では駄目。力を出し切るとは、そこで思い切って技をかけにいくことだ」と言う。「まだ上へ行ける。銀3を金3にしなければならない」と、今回の成績をベースにさらなる上昇を望んだ。

 和田委員長もアジア選手権で「銅3」の結果をひとまず評価しながら、「ここを超えるのが大変。何でもない技でポイントをやっていた試合が多かった。これでは駄目だし、攻撃して取り切ることを意識してほしい」と振り返った。西口委員長と同じく、「がぶっても、そこから攻撃できない。返し技を怖がっている」と攻める勇気のなさを指摘し、「基本技術の反復で、この壁を乗り越えたい」と言う。

 3分2ピリオドのトータルポイント制のルールになってから間もなく1年となり、多くの選手がこのルールに慣れてきたが、まだ2分3ピリオド時代の「ワンチャンスを待つ」という闘いが抜けていない選手もいるという。

 「世界でメダルを取るためには、国内で圧勝できる攻撃力が必要」とし、多彩な技と体力で6分間を攻め切る攻撃力を期待した。

 合宿は15日まで行われる。

田南部力コーチ、松永共広コーチによる技術指導

グレコローマン・チーム