2014.03.30

【全国高校選抜大会・特集】最重量級の今年の注目株は“飛龍の山本(泰輝)”!

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(文・撮影=増渕由気子)

今年の重量級の顔は、“飛龍の山本”だ! 最重量級の120kg級は、昨年の東京国体王者の山本泰輝(静岡・飛龍)が、決勝で昨年王者の山本泰丈(埼玉・花咲徳栄)をテクニカルフォールで下して優勝。全試合、フォールかテクニカルフォール勝ちという圧勝での栄冠だった。

 昨年のこの大会やインターハイは表彰台に登れなかったが、国体優勝が飛躍のきっかけになった。「1度、全国舞台(国体)で優勝してしまったので、ここからは全部優勝しなければダメだと思っていた」と、王者の自覚と誇りを胸に闘った。

 最大の武器はタックル。「スピードに自信があるので、タックルで攻めている」と、120kg級とは思えぬほど俊敏な動きでタックルを展開し、そこからのグラウンド技もさえた。体重は105kgで、同級としては小柄だが、「今後、もう少し体を大きくしたい」と言う。夏までにどれだけの体を作り上げるか楽しみだ

100点満点の内容に見えたが、山本自身は「決勝はタックルが(あまり)取れなかった。うれしくないわけではないが、(手放しで)喜べない。団体戦も、もう少しで決勝に行けたので悔しさが残ります」と今大会を振り返った。

 飛龍は昨年のインターハイでも団体3位に入り、今春こそ決勝の舞台を見据えていた。準決勝の霞ヶ浦(茨城)戦で、7番手の山本に勝負が回る前に4敗目を喫してしまい、決勝の望みが絶たれた中でマットに上がった。「3-3で回してほしかった…。3-3で来たら絶対勝たなくちゃいけないし」と唇をかみしめた。その悔しさを個人戦でぶつけて闘った。

 昨年は、一文字違いの山本泰丈の優勝だった120kg級。今季は“飛龍”山本の時代を築けるか!?